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2020年に開かれる第77回ゴールデン・グローブ賞に見事ノミネートを果たした映画『1917 命をかけた伝令』。監督のサム・メンデスは本作の撮影に、ワンカットという撮影方法を用いた理由を明かした。(フロントロウ編集部)

『1917 命をかけた伝令』はどんな話?

 映画『1917 命をかけた伝令』は、『007 スカイフォール』や『アメリカン・ビューティー』を手掛けたサム・メンデス監督の戦争映画。

 本作のキャストは、映画『はじまりへの旅』のジョージ・マッケイ、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のディーン=チャールズ・チャップマンをはじめとしたフレッシュな英国俳優に加え、ベネディクト・カンバーバッチコリン・ファースマーク・ストロングなど、イギリスを代表するベテラン俳優も勢ぞろい。

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 第1次世界大戦を舞台に、若き二人のイギリス兵が、最前線にいる仲間を救うための重要な伝令を届ける“1日”を描いている。

 戦場の兵士たちの息遣い、砂ぼこり舞う塹壕、飛び交う弾丸や爆弾は、予告編を見ているだけでも圧巻の緊張感。

 実はこの映画、究極の没入感を出すために「ワンカット」という手法で撮影されている。

「ワンカット」とは?

 通常、映画は場面と場面を繋ぎ合わせたり、いらないと思ったシーンを削ったりしながら作られている。

 対する“ワンカット”とは、日本では“長回し”とも呼ばれ、カメラを止めずにノンストップで撮影し続けること。

 一定のあいだ途切れなく映像が続くことでリアルタイム感が出やすく、映画の中の見せ場で使われることも多い。

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 映画の中の一部分だけ長回しを用いるのが好きな監督もいれば、本編全てをワンカットで撮影することにチャレンジする監督もいる。

 ちなみに、日本で長回しが使われた作品としては、2018年の映画『カメラを止めるな!』が記憶に新しい。

 全編ワンカットの映画で有名なものは、2002年に撮影されたアレクサンドル・ソクーロフの『エルミタージュ幻想』。また、アルフレッド・ヒッチコックの『ロープ』も、12分という制限のあるフィルム撮影を80分間ワンカットになるようにつなぎ合わせて作られた作品。

 『1917 命をかけた伝令』は、野外に作った大きなセットの中で、119分に及んで撮影が行われた。

なぜ『1917』はワンカットで撮られたの?

 監督のサムは、この作品をワンカットで撮った理由は、人生そのものがワンカットでできているからだと、米Business Insiderに語った。

 「編集というものは、違う時間に飛ばしたかったり、別の空間や物語に飛びたいときには非常に便利です」としたうえで、最近の映画は「基本的なシーンで編集を使いすぎている」と指摘。「たとえば、今私たちが話しているシーンを撮る場合でも、5~6回の異なるショットが使われているでしょう(※)。でも、どうしてその手法が主流になってしまったのか、自問自答する必要があると思っています」

※会話をしているときの撮影には、切り返しショットと呼ばれるハリウッドの古典的な撮影技法などが使われる。

 サムは『1917 命をかけた伝令』を撮影するために、長回しが多用されている映画の『ロープ』や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、『トゥモロー・ワールド』などを見たと明かした。

 しかし、そのどれもが自分たちの求めるような意味で長回しを利用していなかったため、『1917 命をかけた伝令』の撮影にあたっては、独自のルールを作って撮影を行なったそう。

 そんな映画『1917 命をかけた伝令』は、2020年2月14日に日本公開。(フロントロウ編集部)

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