2020年もアワードシーズンが幕開け
いよいよ本格化する映画祭シーズン。ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞など、有名な映画祭が年末から年始にかけて盛り上がるけれど、気になる裏側のひとつといえばセレブの席。
座る席によって、レアな人物同士が交流する様子が見られたり、ツーショットが公開されたりすることもあるため、その席順がどうやって決まるのか気になるところ。アワードでの席決めの仕方を特集。
セレブが席をリクエスト
アワードの席順には、セレブが基本的にリクエストを出すことができる。
MTVリポーターのジーナ・エスポジトは雑誌Cosmopolitanに、セレブから事前に受けつけたリクエストに、できる限り対応できるようにしていると告白。“誰々の隣に座りたい”、逆に“誰々の隣には座りたくない”といった希望を出すことも可能。リクエストを承諾しないと、勝手に座席を移動するセレブが出てくるため、カメラクルーが困ってしまうのだとか。
ちなみに2016年の音楽の“授賞式で隣に座りたいセレブ、ナンバー1”だったのは、シンガーのテイラー・スウィフト。現代の音楽界を牽引するアーティストだけに、カメラに映る確率が高く、隣に座りたいというテイラーの友人だけでなく、傍に座りたいと希望を出すセレブが多くいるという。
セレブより影響力を持つのは…
ただ、会場がビバリー・ヒルズホテルで招待客は約1,400人と小規模なゴールデン・グローブ賞は、他のアワードに比べて席の融通があまり効かないことで有名。
ゴールデン・グローブ賞を運営するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の会長ジョージ・カマラが米Elleに話したところによると、席順の最終決定権を持つのはカメラクルー。
いかに会場の画面に映えるかを重視して席を選ぶといい、ステージに近いテーブルと一段高い位置にあるテーブルは比較的テレビに映りやすいので、ノミネートされている俳優や好感度の高いセレブたちを配置。大人数が座ることができるテーブルであれば、各テーブルに著名なセレブ4〜5名とその同伴者たちを一緒に座らせるなど配慮して、会場全体にたくさんのセレブが勢揃いしているように席を配置する、という裏事情を明かした。
席を選ぶことができるのは基本的にカメラクルーだが、事前にリクエストすれば座席の変更はできることになっている。
細かいルールも存在
ハリウッドの人間関係は複雑。セレブの元恋人をはじめ、元配偶者、疎遠になった元友人なども遠くに配置。かつてアカデミー賞の席決めに携わった関係者が、英Daily Mailに「お互いに問題を抱える人が集まる家族の結婚式の席を決めるようだ」と話したように、人間関係がいりみだれるハリウッドでは、授賞式の席決めにはかなり苦労するという。
米New York Postによると、ある俳優がわざわざ主催者に電話して、仲の悪いプロデューサーの隣にならないように頼んだというエピソードもある。
席順と結果は関係ない!
授賞式では、仲違いしたセレブ同士や破局したカップルが近くにならないようにするのが鉄則だけれど、「近くに座らせない」セレブの条件がもうひとつ。
それは、同じ賞にノミネートされた人同士。受賞が発表され、落ち込んでいる人と喜んでいる人が一緒に画面に映る“気まずい”瞬間を避けるために、同じカテゴリーで競うセレブたちの席は離すのだとか。
一方で、ステージに近いからといって、受賞する可能性が高いというわけではないよう。しかし、1980年から2002年までアカデミー賞の席をマネジメントしていたオットー・スペーリは、受賞が高い確率で見込まれている人は、通路に近い席を指定されると話している。
席埋め係って?
そして、アワードに欠かせないのが「シート・フィラー(席を埋める人)」と呼ばれる人たち。スターがトイレなどで席を外している間、空席があると見栄えが良くないため、一時的にエンタメ界とは全く無関係の人が着席する。
一般公募される“アルバイト”的な役割であるシート・フィラーには、セレブを含む正式な出席者に自ら話しかけない、カメラを向けられても手を振らないといった、席埋め係ならではのルールがある。しかし、無料で授賞式に参加できるうえ、場合によってはセレブの隣に座れるという、美味しい仕事内容のため、無給ながら志願者が後を絶たない。
ただ座っているように見えるセレブたちだけれど、なにかと細かいルールがある授賞式の裏側。そんなエピソードを知って授賞式を見てみると、またなにか違った発見があるかも。(フロントロウ編集部)