82歳の名優ジャック・ニコルソンは、30代の頃に、その“優しさ”で共演俳優を泣かせそうになったことがあるよう。(フロントロウ編集部)

1000の顔を持つカメレオン俳優

 名優ジャック・ニコルソンといえば、映画『バットマン』のジョーカー役や、『シャイニング』など、その演技力なしには作品が最高傑作となりえなかったと言っても過言ではないほど、各作品で存在感を放ってきた。御年82歳となるジャックは、これまでに12回のアカデミー賞ノミネートを経験し、3回の受賞を果たしている。

画像: ⒸWARNER BROTHERS / Album/Newscom

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 そんな大御所俳優ジャックとの若かりし頃の思い出を、映画『アダムス・ファミリー2』で知られる俳優のキャロル・ケインが米Peopleに明かした。

アカデミー賞に馴染みの深いジャック・ニコルソン

 1971年の映画『愛の狩人』と、1973年の映画『さらば冬のかもめ』でジャックと共演し、1975年の映画『Hester Street(原題)』で第42回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたキャロルは、当時24歳だった。

 なんと、当時まだ失業保険を受け取っていたというキャロルは、アカデミー賞のノミネートによって一気に有名俳優となったけれど、惜しくも受賞を逃してしまう。アカデミー賞授賞式の翌日は、滞在先のホテルに1人でいたというキャロル。しかしそんな時、ジャックから電話がかかってきたという。

「ジャックは受賞することがどのようなものか、そして受賞できないことがどのようなものかを知ってたの。(受賞を逃したアカデミー賞の)翌日がどのようなものかもね」

 映画『さらば冬のかもめ』のジャック・ニコルソンとキャロル・ケイン。

 そしてジャックは、車を運転して受賞を逃した元共演者のキャロルを滞在先のホテルまで訪ね、彼女をランチに連れ出してくれたそう。

「(ジャックのその行動が)優しすぎて、泣きたくなった」

 じつはこの年のアカデミー賞は、ジャックの代表作『カッコーの巣の上で』が各部門を圧巻し、ジャックも主演男優賞を受賞。そしてキャロルを抑えて主演女優賞を受賞したのも、同作のルイーズ・フレッチャーだった。

画像: 映画『カッコーの巣の上で』より。ⒸUNITED ARTISTS / Album/Newscom

映画『カッコーの巣の上で』より。ⒸUNITED ARTISTS / Album/Newscom

 さらにこの受賞はジャックにとって、『イージー・ライダー』、『ファイブ・イージー・ピーセス』、『さらば冬のかもめ』、『チャイナタウン』とアカデミー賞受賞を4度逃した後に、やっと手にしたもの。そんな酸いも甘いも知りつくしたジャックは、受賞を逃した、妹のような、娘のようなキャロルのことを放っておけなかったよう。

 その後キャロルは、今でもファンの多い映画『アニー・ホール』や『アダムス・ファミリー2』に出演。ジャックは、映画『愛と追憶の日々』と『恋愛小説家』でアカデミー賞を受賞している。(フロントロウ編集部)

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