1. エンパワーメントなメッセージにグッとくる
波乱万丈な10代と20代を生きてきたルイ。そんな彼のアルバムに一貫しているのが、“人生に苦難はあるけれど前向きさを忘れずに乗り越えよう”というメッセージ。
人生は辛かったり混乱するもの
全力で臨んでも足りなかったり
あまりにも高すぎたり低すぎたり
愛してるのに叶わなかったり
挫けるんじゃないよ
地獄のような苦しみでも
(「ドント・レット・イット・ブレイク・ユア・ハート」歌詞より)
「グラスの中身は半分入っているという見方をしようという曲(※)」と語る「ドント・レット・イット・ブレイク・ユア・ハート」をはじめ、向かい風に立たされても前を向いて歩こうと、グッと奮い立たされるエンパワーメント・リリックが多数登場する。
※中身が半分入ったグラスを見たときに、「半分なくなっている」ととらえるネガティブ思考ではなく、「半分残っている(ポジティブ)」ととらえるポジティブ思考のことを指す英語の熟語。
2. 最愛の人への曲がグッとくる
26歳という若さで、最大の相談相手だった母ジョアンナを白血病のため失ったルイ。「母さんがいなくなったあの日、僕が代わってあげたかったよ」という、心が引き裂かれるような言葉をルイが口にする曲「トゥー・オブ・アス」は、涙なしには聴けない。
でも昔言われたよね
“諦めちゃダメ 毎日少しずつでいいから”
ダイアモンドは灰になって消えたりしないって
だから忘れない 昼も夜も、僕が死ぬ日まで
これからは母さんのためにも生きていくんだ
僕はベストを尽くすよ、絶対に忘れないから
これからは僕らのために生きていくんだ
(「トゥー・オブ・アス」歌詞より)
さらに、日本盤ボーナストラックとして収録されたスティーヴ・アオキとの「ジャスト・ホールド・オン」は、闘病中の母を励ますようなリリックがリンクし、ルイ自身「書いたときはそういった意図はなかった」としながらも、「その2つがつながったから、よりパーソナル」と認めている。
全てが宣告されるまで終わりじゃない
息を引き取るまで終わりじゃない
亡くなる時に何て言われたい?
“諦めた”なのか、“頑張った”なのか
(「ジャスト・ホールド・オン」歌詞より)
3. ワン・ダイレクション愛にグッとくる
ワン・ダイレクションとしての活動も、メンバーのことも、今でも心から愛しているし誇りに思っていると、何度も繰り返しているルイ。そんなルイの1D愛はソロデビューアルバムにも表れている。
7曲目に収録された「ハビット」には、1Dファンには嬉しいイースターエッグ(※)が!※こっそり隠されたアイテムやトリビアなどのこと。
あれから何年も経ち
異なる局面を経て
プリンセス・パークから随分遠くまで来た
ずっと君が必要なんだ
一緒にいてくれたら
(「ハビット」歌詞より)
歌詞で登場するプリンセス・パークとは、昔、ルイとハリーが同居していた場所。ボーイズとたくさんの思い出を作ったこの場所は、ルイにとっては記憶に深く残る特別な場所のようで、「ファンへのありがとうソングなんだ」という同曲で、ルイがそんな時代を振り返る。
さらに、「(1Dっぽい)曲もアルバムにはあるべきだよね」と語るルイが、「リリック的には、ワン・ダイレクションのファーストシングルである『ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル』の延長線のような感じだ」とするのが、「パーフェクト・ナウ」。
つまるところ君だけなんだ
一人前だと僕に思わせてくれるのは
最低の自分にも優しく接する
どこでも人気者、それも、ぶっつけ本番で
踊りたくないかい
少しだけでも
僕はわずかなチャンスにも賭け続けるんだ
(「パーフェクト・ナウ」歌詞より)
「You say to me your jeans don't fit(ジーンズがピッタリじゃないと君は言う)」や、「I guess some queens don't need a crown(冠が要らない女王様っているんだね)」という歌詞が、1Dの曲「リトル・シングス」の「You still have to squeeze into your jeans(まだ頑張ってジーンズを穿こうとしてる)」や「スティール・マイ・ガール」の「She's been my queen since we were sixteen(16歳のころからの僕の女王様)」という歌詞にリンクするとして、1D時代からのファンを喜ばせている。
4. 恋愛の「失敗」を正直に謝る姿にグッとくる
10代の頃に出会った一般人の恋人エレノア・カルダーをずっと一途に愛してきたルイ。しかし2人は2015年~2017年に一時的に別れ、ルイはそのあいだに別の女性とのあいだに子供が誕生した。
アルバム『ウォールズ』では、「運命の人に18歳で出会って、その年齢の多くの男がそうであるように、それに対応できる器がなかった」ことをざんげする「トゥー・ヤング」や、世界各国でのツアー中に彼女を恋しく思っていたことを告白する「オールウェイズ・ユー」など、ルイが彼氏としての失敗や、エレノアとの別れでどれだけボロボロになっていたかを包み隠さず明かす。
近頃よく過去を振り返るんだ
僕らの関係しか僕は知らなかったわけさ
君に嫌われるなんて考えられないよ
でも今では全てが違うと分かってる
Oh 僕が周囲のプレッシャーに負けるなんて
こんな愛は続かないと皆から言われて
君とは別れた、まったくもって愚かな奴さ
(「トゥー・ヤング」歌詞より)
君を忘れようと東京に行き
飲んだくれ
だけど、それでも寂しかった
僕は何てバカなんだ
あちこち色んな場所に行って
君やそんな表情を探していた
僕には分かる、分かるんだ
時間を無駄にしてたよ、いつも君がいてくれたのに、いつも君が
興奮ばかり追い求めて、いつも君がいてくれたのに、いつも君が
絶対に君を離すんじゃなかった
(「オールウェイズ・ユー」歌詞より)
ルイは2020年に入って「(エレノアと)結婚するかどうかって?答えはイエスだよ。そう思う。もっと子供も欲しいしね」と宣言したけれど、アルバム『ウォールズ』でのルイの一途さを聴けば、その言葉にも納得。
5. ソングライターとしての成長にグッとくる
2019年4月にSNSにて、ずっと抱えていたという「心の重荷」を告白したルイ。それは、ソングライターとして売り上げにばかりこだわって、“自分らしい”音楽を作っていなかったということ。
「このアルバムをラジオのトップ40に入れるためにヒットしそうな曲を書いてきたけど、実際のところ、自分が好きなことから始めるべきだった」「今日から新しく始めよう」と思い直したルイがさっそく書き上げたのが、「キル・マイ・マインド」。
嫌われるほど欲しくなる
気が散って仕方がないんだ 君の反応が気になって
頭の中で悪魔が
僕の名を囁いている
聞こえるんだ
(「キル・マイ・マインド」歌詞より)
「よくない結果を招くかもってわかっていながらも、ワクワクが止まらなくてつい行動しちゃった」若い頃の自分について歌った「キル・マイ・マインド」は、サウンド的には「僕自身が聴くのが好きなタイプの音楽」だそうで、ソングライターとしての“気づき”を経て、「これからは少し違う方向に進むぞっていう宣言でもある」という。
初のソロ来日ツアーに向けたメッセージにグッとくる
2020年3月9日のバルセロナ公演を皮切りに、初のソロワールドツアー「Louis Tomlinson World Tour」をスタートさせるルイ。
4曲目に収録されている「ウィー・メイド・イット」は、大学生だった彼女との思い出が一部で歌われているけれど、ルイにとっては初のソロツアーに向けてファンに贈った曲なのだとか。「僕にとってウィー・メイド・イット(僕らは成功した)とは、ずっと待ち焦がれているツアーの初日に立つこと。ファンは辛抱づよく待ってくれたからね。この曲は、ファンのみんなと一緒に(ツアーで)感じるであろう感情を思って作ったんだ」と本人は語る。
僕らは成功したから
見くびられたし
僕はいつも過小評価
でも、もうサヨナラだよ
辛い日々に手を振って
うん、大丈夫だよ
(「ウィー・メイド・イット」歌詞より)
ルイのワールドツアーの来日公演は、4月30日(東京)と5月1日(大阪)。いずれの公演も完売している。この曲を含めてアルバム『ウォールズ』を聴きながら、初のソロ来日に向けてのボルテージを上げていきたい。
ルイ・トムリンソン
ソロデビューアルバム
『ウォールズ | Walls』
●国内盤CD
発売中(2月5日)
SICP-5678 / 2,200円+税
ボーナス・トラック2曲収録/歌詞・対訳・解説付き
再生・購入はソニー・ミュージック・ジャパンのサイトより
ルイ・トムリンソン
来日公演情報 ※いずれの公演も完売
●2020年4月30日(木)
会場: 新木場 STUDIO COAST
時間: OPEN 17:30 / START 19:00
●2020年5月1日(金)
会場: Zepp Namba
時間: OPEN 17:30 / START 19:00
公演詳細はクリエイティブマンのサイトより
(フロントロウ編集部)
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