悪役のスマホの機種は…
『ファイト・クラブ』や『シックス・センス』など、大どんでん返しによる見終わった後の爽快感を求め、ミステリー映画を好んで見るファンは多い。
しかし、結末の前に悪者が誰か分かってしまう方法があることが、映画『ナイブズ・アウト』のライアン・ジョンソン監督によって暴露されてしまった。
米Vanity Fairのインタビュー動画で、ミステリー映画である『ナイブズ・アウト』の各シーンに隠された意図について語っていた監督。すると、「面白いことがあるんだよね。これを言うべきか、言わないほうが良いのか分からないんだけど(笑)」と、いたずらっ子のような表情を浮かべた監督は、ミステリー映画界を揺るがすこんな事実を…。
「アップル社は映画の中でiPhoneを使わせてくれる…。でも、これはミステリー映画を見るうえでかなり重要になってくるんだけれど、悪い奴らは画面上でiPhoneを持てないんだよ」
なんと、映画の中でiPhoneを持っていたら、悪者ではない!
アップルのイメージ戦略の一環と見られるこの方針だけれど、誰が犯人なのか、そんな推測をしながら楽しむファンも多いミステリー映画の秘密を明かしてしまったジョンソン監督。自分でも衝撃事実を明かしてしまったことを自覚しているようで、「自分の映画の中に悪役を描いた映画制作者で、それを秘密にしておきたかった人たちは、今すぐに僕のことを殺したいだろうね」と、笑っていた。
とはいえ、例えばジョンソン監督が2012年に手掛けた映画『LOOPER/ルーパー』のように、物語の展開そのものに驚きが隠されている、どんでん返し映画も多数。また、“このキャラクターは悪役ではない”という隠れたメッセージ代わりにiPhoneを効果的に使用したり、はたまた、スマホの機種を見せないようにしたりと、制作者とミステリー映画ファンの間で新たな騙し合いのツールが増えたともいえる。これからミステリー映画を楽しむ時には、各キャラクターの携帯電話にも注目のようだ。
『ナイブズ・アウト』あらすじ
ニューヨーク郊外の大邸宅で、作家のハーラン・スロンビーが誕生日の翌日に遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブランは、匿名の捜査依頼を受けて邸宅での捜査に加わるが、容疑者であるハーランの7人の親族や、家政婦の証言は、辻褄が合わない。そんななか、ある衝撃の事実が明らかになる…。
ブノワ・ブラン役を『007』シリーズのダニエル・クレイグ、家政婦のマルタ・カブレラ役を『ブレードランナー 2049』のアナ・デ・アルマスが演じ、クリストファー・プラマーやクリス・エヴァンス、キャサリン・ラングフォードなど、豪華俳優が脇を固める。
(フロントロウ編集部)