公開延期を望む声が続出
大人気スパイ映画『007』シリーズの最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、イギリスで4月2日、アメリカや日本で4月10日に公開が控えているが、公開約1ヵ月前になりなにやら不穏な空気が漂っている。
現在、全世界で猛威をふるう新型コロナウイルスの感染拡大を受け、『007』シリーズの大手ファンサイトMI6-HQ.comを中心に、新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開と3月31日にロンドンで行なわれる予定のワールドプレミアを延期するよう求めるオープンレター(公開書簡)が発表された。
そこには、「新型コロナウイルスがパンデミック・ステータスに達したため(※)、リリースのスケジュールやイベントのキャンセル費用よりも公衆の衛生を優先させるべきだ」と書かれており、現在様々なリスクを考えて大規模なイベントが続々と中止や延期されていることや、ハリウッドにとって重要なマーケットである中国にて新型コロナウイルスが原因で多くの映画館が閉鎖されているため、興行収入に大きな影響が出ることなども記載されている。
※日本時間3月2日の会見では、WHOは「パンデミック」には達していないとしている。
日本でもすでにディズニー映画『ムーラン』や『2分の1の魔法』が公開を延期すると発表しており、映画の公開をずらすという異例の対応が取られている。
また、イギリスで行なわれるワールドプレミアについても、世界中から『007』シリーズファンがロンドンのロイヤルアルバートホールを訪れ、その中の1人でも新型コロナウイルスに感染していたら、他の人に感染する恐れがあるうえ、プレミアで新型コロナウイルスに感染した人が出たという方法で『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の名前が世に出回ることを望んでいないとの声が。
さらにそのオープンレターには驚きの箇所も。なんと「中国、韓国、そして日本ではすでに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプロモーションツアーを中止しました」と、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプロモーションツアーが日本でも開催される予定だったとのまさかの情報が書かれている。
オープンレターの最後では「世界中のファンとその家族の健康と幸せが一番重要です。私たちは(映画公開までに)4年以上待ちました。あと数ヵ月待つことは、映画の質を落とすことはないですし、興行収入の面でダニエル・クレイグの最後の活躍を助けるでしょう」と綴られ、配給側に新型コロナウイルスが終息すると見られる夏に公開をずらすように訴えられた。今回のオープンレターに関して、配給側はまだ反応していない。(フロントロウ編集部)