超人気カーアクション『ワイルド・スピード』
『ワイルド・スピード』は2001年から続く人気カーアクション映画。ファンからは『ワイスピ』という愛称で親しまれ、既に公開されている8作品の累計興行収入は、5,400億円を突破している。
そんな本作の9作目にあたる最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、2020年5月29日に日本公開が予定されていたけれど、新型コロナウイルスが流行している影響で約1年間の延期となった。
ドムを務め、シリーズのプロデューサーの一人でもあるヴィン・ディーゼルは、シリーズを通して主役として映画に参加してきたけれど、2003年に公開されたシリーズ2作目『ワイルド・スピードX2』には出演していない。それには、ある理由があった。
ヴィン・ディーゼルがドム役として戻らなかった理由
実はヴィン、2001年に公開された『ワイルド・スピード』1作目にキャスティングされた当時、脚本に満足していなかったそう。その際は、脚本家と約1週間話し合いを続け、やっと納得のいくものに。
映画は公開後見事オープニング成績全米第1位の大ヒット。続編の企画が上がるまでは、それほど時間はかからなかった。
しかしヴィンは『ワイスピ』の1作目の打ち上げで食事をしていた時、「これは続編を作らなきゃいけないよね」と誰かに言われ、「無理だよ。これ以上やらないでおいた方がいい」と返事したそう。
なぜなら、せっかく『ワイスピ』が名作映画の『理由なき反抗』ぐらい素晴らしい作品になったのに、"シリーズ化"することで、「続編を作る」ことが目的となり、映画自体が面白くなくなってしまったら、評判が台無しになると考えたため。
当時ヴィンはまだ駆け出しの役者だったけれど、シリーズ2作目『ワイルド・スピードX2』の出演に最大で27億5千万円(2500万ドル)のギャラを払うことを約束されたものの、出演を辞退。その理由は、映画会社が『ワイスピ』1作目の成功を金儲けの道具にするのが嫌だったから。
ヴィンの理想は高く、もし『ワイスピ』シリーズを作るのなら、フランシス・フォード・コッポラの『ゴッドファーザー』のように重厚な内容にしたいと思っていたけれど、映画スタジオはそうしなかったと米#LEGENDに語っている。
しかし、その後もヴィンの頭からは『ワイスピ』のことが離れず、シリーズ3作目の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』には1番最後に少しだけ登場。
4作目の『ワイルド・スピード MAX』で出演オファーをされた時、彼はあることと引き換えにシリーズに戻ることを承諾。それは、『ワイスピ』の制作に携わること。
ヴィンが参加してからの『ワイスピ』の興行収入は、なんとシリーズを重ねるごとに右肩上がり。「シリーズ物はだんだん人気がなくなる」というジンクスを破って、最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、予告編が公開されてからたったの24時間で、再生回数は5億回を突破した。
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は新型コロナウイルスの影響で公開が延期になってしまったけれど、ヴィンの「映画魂」が詰まっているシリーズなだけに、きっと最高の作品になるはず。(フロントロウ編集部)