キャプテン・アメリカ役と引き換えに“失いたくなかったもの”
『キャプテン・アメリカ』シリーズや『アベンジャーズ』シリーズなど、約9年間にわたってMCU映画でキャプテン・アメリカを演じた俳優のクリス・エヴァンスが、キャプテン・アメリカ役のオファーを断ろうとしていたことを、クリスの母リサ・エヴァンスが米Esquireのインタビューで明かした。
「(キャプテン・アメリカ役を引き受けるにあたって)息子が最も恐れていたことは、“無名”ではなくなることでした。息子は私に『僕は今、自分が本当に好きな仕事だけをすることができている。犬の散歩も普通にできる。誰も僕のことを気にかけていないし、話しかけてくることもない。どこへだって行ける。それを失うかと思うと正直言って怖い』と言っていました」
クリスが表紙を飾ったEsquireの最新号で、クリスのキャプテン・アメリカ就任秘話についてこう語ったリサは、無名ではないにせよキャプテン・アメリカ役に就任する前はそれほど知名度が高くなかったクリスが、“有名になること”を何よりも恐れていたことを明らかに。
有名になりたい一心でオーディションを受けまくる野心にあふれた若手俳優も多いなか、“無名のままがいい”とはなんとも消極的だが、売れっ子になった今も地に足のついた生活を送るクリスらしいといえばらしい気もする。
そんなクリスの背中を押したのは、ほかでもない母のリサだったそう。クリスから電話でアドバイスを求められたリサは、「あなたは一生役者をやっていきたいのよね?キャプテン・アメリカ役を引き受けたら可能性がもっと広がる。もう家賃の心配をする必要もない。この役を引き受けるかどうかは、あなたが自分で決めるしかない。引き受けたからといって私の人生に悪影響を与えるようなことはないわ。良い影響はあるかもしれないけど」と助言。母の力強い言葉と後押しもあって、クリスはオファーを引き受け、その後、計7作品(※カメオ出演抜き)でキャプテン・アメリカを演じた。
ちなみに、同インタビューでは、クリスが演じるキャプテン・アメリカの最後の出演作となった2019年公開の映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)の年老いた姿がリサの父にあまりにもよく似ていたことから、思わず涙してしまったという感動的なエピソードも明かされている。(フロントロウ編集部)