外出自粛が続くなか、トップモデルのベラ・ハディッドは、カメラマンやスタイリストと“ともに”ファッション誌に掲載されるエディトリアル写真の撮影を続行。海外有名雑誌がこぞって取り入れ始めている、苦肉の策として生まれたフォトシュートの新トレンドって?(フロントロウ編集部)

ベラ・ハディッド、「革新的な方法」で撮影を続行

 世界各国で新型コロナウイルス感染拡大を食い止めるための外出自粛・外出禁止が続くなか、ほかの業界と同様にファッション界で働く人たちの仕事の仕方にも大きな変革が求められている。

 ファッション誌や広告の写真撮影といえば、通常ならば、スタジオやロケーション先にモデルやカメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、エディターといったスタッフが集結して行われるもの。しかし、不要不急の外出をせず、人と人が密に接することを控えるよう要請されている今は、言うまでもなく、これまで通りの方法では、フォトシュートは行えない。

画像: ※イメージ写真。

※イメージ写真。

 そんななか、さまざまな願いや想いを込めた真っ白な表紙が話題となった伊Vogue4月号に掲載された、モデルのベラ・ハディッドを起用したあるエディトリアルが業界内外からの注目を集めている。

 母で元モデルのヨランダ・ハディッドがペンシルバニア州に所有する牧場内の別宅でに滞在しているベラは、ニューヨークを拠点に活動するファッションフォトグラファーのブリアナ・カポッツィとスタイリストのヘイリー・ウォレンズとともに、iPhoneのフェイスタイム(Face Time)を駆使して“遠隔フォトシュート”を実行。

 スタイリストのヘイリーから送られてきた新作アイテムを身に着けたベラは、フォトグラファーのブリアナのディレクションに合わせてポージング。

 ヘアメイクは自らが担当し、一緒に隔離生活を送っている親友に照明とカメラワークを手伝ってもらった。

 こうして実現したフォトシュートは、画質こそ従来の高性能カメラで撮影した写真よりは劣るものの、むしろそれが親密な雰囲気を醸し出し、芸術的で官能的な仕上がりとなっている。

 ベラを起用したこのフォトシュートは、SNS上でも話題となり、彼女をマネして自分なりのファッションフォトを撮影するフォロワーたちが相次いでいる。


ほかの有名雑誌も撮影方法を工夫

 モデルやカメラマンによる“在宅ワーク”によって撮影されたフォトシュートを誌面に起用したのは伊Vogueだけではない。

 イギリスのファッション&カルチャー誌i-Dも、「Safe + Sound(セーフ・アンド・サウンド/無事に)」をテーマにした最新号で、世界各国に住む19人のモデルたちがフォトグラファーとフェイスタイムを使って撮影した写真を掲載した。

 ベラの姉で同じくモデルとして活動するジジ・ハディッドもi-Dのこの企画に登場。

 そのほかの海外有名雑誌も、従来とは違った方法でのエディトリアル撮影の方法を模索しており、モデルにカメラを送って家族などに撮影してもらうという方法や、ノート型コンピューターのカメラを使用して撮影を行うといった方法を検討しているという。

伊Vogue4月号には、一緒に隔離生活を送る友人が撮影したジジの自宅でのショットが掲載された。

 ちなみに、スペイン発のファストファッションブランド、ZARA(ザラ)は、モデルたちに新作アイテムを送付し、それを身に着けて各自写真を撮ってもらうという形で新キャンペーンを撮影し、好評を博している。

 いつまで続くかわからない外出自粛。ファッション業界は、つねに数カ月後にリリースされる雑誌や広告を作っているだけに、このモデルやフォトグラファーたちの“在宅ワーク”による撮影というトレンドは、秋以降まで続く可能性が高い。(フロントロウ編集部)

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