ホアキン・フェニックスがNY州知事に直訴
新型コロナウイルスの感染拡大が世界中に広まるなか、依然として感染者数が増え続け、新たな“震源地”と呼ばれ、アメリカ国内でも最も過酷な時を強いられているニューヨーク州。
そんな同州のアンドリュー・クオモ州知事に宛てて、映画『ジョーカー』の俳優ホアキン・フェニックスが公開ビデオメッセージを送った。
おもに高齢の服役囚たちの解放を訴えている非営利キャンペーン「Release Aging People in Prison Campaign(リリース・ピープル・イン・プリズン・キャンペーン)」の公式ツイッターを通じて公開された動画の中でホアキンが訴えたのは、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、州内の刑務所や留置所で生活している一部の収監者たちを早期解放して欲しいという内容。
A message from Oscar award winning actor Joaquin Phoenix: “I’m calling on @NYGovCuomo to take action in New York by granting clemency to New Yorkers in prison. The lives of so many people depend on his action. No one deserves to die in prison from COVID-19.” #ClemencyNow pic.twitter.com/CEFEkwVTBV
— Release Aging People in Prison Campaign (@RAPPcampaign) April 14, 2020
「刑務所内での新型コロナウイルスの蔓延は、私たちすべての健康と安全を脅かします。投獄されている人々は、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離の確保)もできなければ、衛生状態も良くありません」、「リーダーたちは、服役中の人々や刑務所で働く人々が病に伏したり、ウイルスを拡散させることを防ぐために、できる限りの手を尽くす必要があります」と、まず、アメリカ全土の刑務所における新型コロナウイルスの感染拡大に懸念を示したホアキンは、続けて、「彼の行動にはたくさんの命がかかっています。誰も新型コロナウイルス感染症により刑務所の中で命を落とすなどという目に遭う必要はありません」と、クオモ州知事を名指しにして訴えた。
刑務所内で蔓延する新型コロナウイルス
「密閉」、「密集」、「密接」と、日本でも政府が避けるよう要請している“3密”が成立しやすい刑務所では、新型コロナウイルスの感染が刻一刻と広がっている。
アメリカ国内の刑務所や拘置所では、すでに1万人以上の収監者を釈放するなどして措置を講じており、ニューヨーク州でも3月末に軽い罪で収監されていた服役囚たち1000人余りを解放したが、まだ囚人たちや職員たちの安全が完全に確保されているとは言える状態ではない。
クオモ州知事の秘書は米TMZに対し、ニューヨーク州内の刑務所では、罪状が暴力事件や性的暴行事件ではなく、服役期間が残り90日以下となった55歳以上の収監者たちを順次釈放するプロセスが開始していると回答。すでに対策を実施していると説明している。
ほかのセレブたちも「囚人解放」を訴える
ホアキン以外にも、シンガーのジョン・レジェンド、モデルのエミリー・ラタコウスキー、俳優のやトニー・ゴールドウィンやハリ・ネフといったセレブたちが「Release Aging People in Prison Campaign」の活動を支持しており、同様に動画を通じて囚人たちの解放による新型コロナウイルス感染症の拡大防止措置の実施を訴えている。
A message from Grammy award winning artist @johnlegend: @NYGovCuomo, #LetThemGo #ClemencyNow https://t.co/7Jlx26urhC
— Release Aging People in Prison Campaign (@RAPPcampaign) April 14, 2020
シンガーのジョン・レジェンド
"It's crucial that @NYGovCuomo reduce the prison population." #ClemencyNow https://t.co/rmtDZ9plv6
— Release Aging People in Prison Campaign (@RAPPcampaign) April 13, 2020
モデルのエミリー・ラタコウスキ
新型コロナウイルスの感染拡大防止措置としての囚人の早期解放に関しては、囚人たちの人権を擁護する声がある一方で、「市民の安全が脅かされるのではないか」、「治安の悪化につながるのではないか」」といった不安の声が上がったり、州によって対策にバラつきがある事なども問題視されている。(フロントロウ編集部)