ヘンリー王子夫妻、新天地LAでボランティア活動に参加
3月末で英ロイヤルファミリーの主要メンバーから退いたヘンリー王子とその妻のメーガン妃は、新型コロナウイルスの拡大が世界的に深刻化する直前に、生活の拠点をカナダのバンクーバー島からアメリカ・ロサンゼルスへと移した。
メーガン妃にとっては故郷であり、母ドーリア・ラグランドが暮らす場所でもあるロサンゼルス近郊に新居を構えた夫妻は、5月に1歳を迎える長男のアーチーとともに外出自粛に取り組んでいる。
ヘンリー王子とメーガン妃は、先日、2018年のロイヤルウェディングの放映によって英BBCから得た収益を活用し、イギリスのチャリティ団体「フィーディング・ブリテン(Feeding Britain)」に約9万ポンド(約1,200万円)を寄付したことが伝えられた。
同団体は、新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮する家庭に温かい食事と食糧のセットを提供しているが、2人は、新天地であるロサンゼルスでも、人々に食糧を届けるために、今度は自らの手足を使って、ボランティア活動に参加していたことが分かった。
困窮する人々の自宅に食べ物を届ける
夫妻が参加したのは、ロサンゼルスを拠点とするチャリティ団体「プロジェクト・エンジェル・フード」の活動。非営利団体である同団体は、深刻な持病を抱え、新型コロナウイルス感染にすると重篤化するリスクがある人々のために、それぞれの症状に合わせた食事を調理し、自宅に配達している。
地域のコミュニティのために何かできることはないかと考えていたメーガン妃は、母ドーリアからの助言で、同団体の活動に参加することを決意したそうで、1週間のうちに2度もボランティアに参加。
まず、4月12日のイースター(感謝祭)に6件の配達を担当したヘンリー王子とメーガン妃は、もっと手伝いたいと、その3日後の15日には、14件もの配達を買って出たという。
夫妻から宅配を受けた人の感想
プロジェクト・エンジェル・フードの職員が米Peopleに語ったところによると、配達前に同団体の拠点を訪問した夫妻は、活動内容について熱心に質問。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)のルールについてもしっかりと学び、もちろんマスクや手袋をしっかりと着用したうえで、6フィート(約182㎝)の距離を保つという決まりを厳守しながら、配達に出発した。
ウェスト・ハリウッドに住むダン・タイレル氏は、ヘンリー王子とメーガン妃から食事の配達を受けたクライアントの1人。アパートの門の前で夫妻と対面し、食糧を受け取ったというタイレル氏は、最初は夫妻の正体に気づかなかったというが、2人の後ろで待機していた警備係たちを見てピンときたのだそう。
タイレル氏は配達を受けた際の夫妻の印象について現地メディアWEHOville.comにこう語っている。
「背が高くて赤毛の男性は、なんだかどこか見覚えがあるな…と思ったんです。そして女性のほうは、とても美人でした。彼らの背後には大きな黒いSUV車が停まっていて、警備員たちが立っていましたね。2人とも、とても親切で、地に足のついた人たちですよ。マスクをしていました。あと、ジーンズを履いていて、カジュアルな感じでしたよ。あれは、とても上質そうなジーンズでしたね」。
王室離脱後は、独自のチャリティ団体「アーチウェル(Archewell)」を立ち上げて活動を行っていくことが明らかになっているヘンリー王子とメーガン妃。この団体名は、長男アーチーの名前の由来にもなった、ギリシャ語で“行動の起源”を意味する「Arche」という言葉をもとにしていると、夫妻が英Telegraphに明かしている。
アーチウェルの本格始動は、新型コロナウイルスという未曽有のパンデミックの襲来により、一時保留となってしまっているというが、その間にも、夫妻は、できる限りの方法で困窮する人々を支援している。(フロントロウ編集部)