外出禁止令が出ているイギリスで、外を歩く人が医療関係者の役に立っているって、どういうこと?(フロントロウ編集部)

毎日10メートル歩く6歳の少年

 新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウン(首都封鎖)が実施されているイギリスで、医療従事者のために「外を歩く」人たちがいる。感染を防ぐためにイギリスでは外出禁止令が出されているけれど、1日1回の散歩は可能。

 そこで、イギリス西部のブリストルに住む6歳のフランク君は、毎日10メートルを歩くことで、医療従事者への寄付を募った。1日10メートルと聞くと簡単なことように聞こえるけれど、フランク君は、生まれながらの脊椎の疾患である二分脊椎を患っており、1年半前にやっと初めて歩くことができたという背景がある。妊娠25週目の早産で生まれた彼は、今でもサクサクと歩くことはできないため、補助器具を使って毎日10メートルを歩いている。

 そんなフランク君は、現在でも定期的に病院でケアを受けている。彼の母親は英BBCに、「(フランク君が通う)2つの病院のスタッフは、素晴らしいケアを献身的にしてくれています。そのスタッフたちこそが、彼がサポートしたいと思っている人たちなのだと思います」と明かした。

 そんなフランク君は、クラウドファンディングの目標額を99ポンド(約1万3,000円)に設定していたのだけれど、彼の熱意は多くの人の賛同を得ることに。現時点で集まっている寄付額は、なんと1,000万円を超えた!

99歳の退役陸軍大尉も歩く

 フランク君がこの活動を始めた影には、ある1人の男性がいる。それは、99歳の退役陸軍大尉トム・ムーア大尉。第二次世界大戦を生き残った彼は、過去に腰骨の骨折やガンを経験しており、その治療をしてくれたイギリスの医療サービスのためになにかしたいと考え、自宅の庭25メートルを100往復するとし、寄付を募った。

 4月30日の100歳の誕生日までに達成することを目標とし、その設定額は1,000ポンド(約13万円)だった。しかしムーア大尉の行動は大きな話題となり、英国王室のウィリアム王子とキャサリン妃からも寄付が届いた彼のクラウドファンディングは、最終的になんと、驚異の2,000万ポンド(約27億円)まで到達!

 ムーア大尉にナイト爵位を授けるよう求めるオンライン署名には、55万3,000人以上が賛同しており、彼は一躍時の人となっている。フランク君が、クラウドファンディングの目標額を99ポンドにしたのは、ムーア大尉の年齢が理由だそう。(フロントロウ編集部)

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