テイラー・スウィフトが“宿敵”の金儲け策を潰しにかかる
シンガーのテイラー・スウィフトが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大によるパニックの最中に、自身の過去のライブ音源を収録したアルバムを無許可で発売し、金儲けをしようとしている”宿敵“の許しがたい動向をSNSを通じて告発した。
テイラーがインスタグラムストーリーに声明を投稿して皮肉をぶつけた“宿敵”とは、2019年7月に、テイラーの前所属レーベルであるビッグマシン・レコーズを約325億円(300万ドル)で買収し、彼女がデビューから2018年の移籍前までにリリースしたすべての楽曲の原盤権を手にした敏腕マネージャーのスクーター・ブラウンと、彼と結託し、テイラーが自分には原盤権を買い取るチャンスを与えてくれなかったと主張するビッグマシン・レコーズのCEOスコット・ボーチェッタ氏のこと。
テイラーがスクーターによる買収について「最悪の悪夢のよう」と告発して以来、それぞれ言い分が食い違う両者の間では、これまで、たびたび応酬が繰り広げられてきたが、ここ最近は目立った動きは見られなかった。
そんななか、スク―ター&ボーチェッタCEO率いるビッグマシン・レコーズが、テイラーが今から12年前の2008年に行なったパフォーマンスの音源を収録した『Live From Clear Channel Stripped 2008(ライブ・フロム・クリアー・チャンネル・ストリップト)』と題したライブアルバムをAppleミュージックやSpotifyといった複数の音楽配信サービスを通じて発売することが判明。
これは、テイラー本人には何の断りもなく決断された戦略であり、テイラーはファンからの通告によりこのことを知ったよう。
新型コロナ禍で健康面だけでなく経済的にも困窮する人が多いなか、金儲けのために、しれっと、しかもリリース時期を偽って行なわれようとしていたリリースに、テイラーは怒り心頭の様子で、こんなメッセージで、スクーターとビッグマシン・レコーズ、そして、スクーターの買収を手助けした出資者たちに宛てて皮肉を炸裂させた。
以下、フロントロウが全文訳。
「ハーイ、みんな。まずは前所属レーベルが私のライブパフォーマンスを収録した“アルバム”をリリースしていることを気づかせてくれたファンのみんなに感謝します。
この音源は、2008年に出演したラジオ番組でのパフォーマンスを収録したもので、当時、私は18歳でした。ビッグマシン・レコーズはリリース日を2017年と表記していたけれど、実際には、今夜12時にリリースされるみたい。こういう件に関して、私はいつも、みんなに正直に打ち明けてきたから、言っておきたいんだけど、このリリースについて、私は許可していません。
どうやら、スクーター・ブラウンと彼を経済的にバックアップしている23キャピタル、アレックス・ソロス、ソロス一族、そしてザ・カーライル・グループは、最近の貸借対照表を見て、私の音楽に330万ドル(約350億円)(※)を支払うのは、賢い選択ではなかったと気がついたようね。彼らはお金が必要みたい。
私に言わせてもらえば…これもまた、コロナ禍における、恥知らずで欲望にまみれた事例の1つね。本当に悪趣味。でも、本当にあからさまね」
※当初の報道では、スクーター・ブラウン率いるイサカ・ホールディングスは300万ドルでビッグマシン・レコーズを買収したと伝えられたが、このメッセージで、テイラーは買収額は330万ドルだったと述べている。
このテイラーの告発は、ファンたちに対し、自分の意思に反して発売される『Live From Clear Channel Stripped 2008』の不買運動を遠まわしに呼びかけるもの。
現時点では、スクーターやビッグマシン・レコーズは、この件に関しては反応していない。(フロントロウ編集部)