シャーリーズ・セロンが1億円を寄付
映画『スキャンダル』や『マッドマックス 怒りのデスロード』への出演で知られるシャーリーズ・セロンが運営する慈善団体CTAOPが、さらにもう2つのチャリティ団体と組み、新型コロナウイルスにおける女性への暴力に対して支援活動を行なうイニシアティブTogether For Her(トゥギャザー・フォー・ハー)を発足した。
CTAOPは約1億円を新型コロナウイルス対策のために投じると発表。この1億円のうち半分の約5,000万円は、TogetherFor Herを通して、新型コロナウイルスによって被害件数が急増している家庭内暴力(DV)被害者への支援に充てられることも併せて発表された。シャーリーズはコメントで、こう述べている。
「世界的にCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染が拡大していることは、人々に自宅待機を強いています。そのなかでは、家庭内暴力を経験している女性たちにとって人生はより危険なものとなってしまうのです。とくに、社会的にないがしろにされている女性たちや、暴力を受ける危険性が高まっている女性たちにとって」
この寄付金は、シャーリーズが現在住むアメリカと、彼女の故郷である南アフリカで使われるという。シャーリーズと彼女の母は、アルコール依存症で暴力的だった実父から逃れるため、当時15歳のシャーリーズの前で母が父を撃ち殺したという過去を抱えている。そんな衝撃的な経験を持つシャーリーズは、これまでも長年フェミニストとして活動してきた。
さらに深刻化するDV被害への支援
新型コロナウイルス対策の外出自粛が、これまで以上に深刻なDV被害を引き起こしていることは問題となっており、WHO(世界保健機関)も各国に対策を呼びかけている。俳優で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務めるアンジェリーナ・ジョリーもまた、DV被害や、それにともなう子どもへの影響を危惧。
「家族や友人から被害者を引き離すことは、加害者が被害者をコントロールするために行なう良く知られた策略です。つまり、新型コロナウイルスを止めるために不可欠な隔離は、うかつにも、傷つきやすい子どもたちを苦しませ、トラウマをより多く生み出す燃料となってしまうのです」
米Timeへの寄稿でこう語ったアンジェリーナは、個人個人で周囲を気にかけ、助ける行動を起こすことを呼びかけた。
現在フランスでは、DV被害者の受け入れシェルターの増設や、通報システムの整備を進めている。カナダでは、DV被害者シェルターの整備などのために、約30億円(4,000万カナダドル)の予算が捻出された。アメリカのイリノイ州では、約1億3,000万円(120万ドル)がDV被害者支援に使われると発表されている。(フロントロウ編集部)