カニエ・ウェストの元ボディーガードが暴露
天才肌のラッパーとしてヒップホップ界を牽引する傍ら、ファッションデザイナーとしての才覚も発揮しているカニエ・ウェストは、凡人には理解しがたい“俺流”なポリシーを持っていることで知られる。
そんなカニエの護衛を担当したというベテラン・ボディガードのスティーブ・スタヌリス氏が、エンタメ界のさまざまな裏話が飛び出すポッドキャスト『Hollywood Raw(ハリウッド・ロウ)』に出演。
自身が経験した、カニエからのさまざまな無茶なリクエストを暴露した。
プロのボディガードとして、これまで、俳優のレオナルド・ディカプリオやキャメロン・ディアス、ウッディ・ハレルソン、トビー・マグワイア、シンガーのアラニス・モリセットといった数々の有名セレブたちの護衛を務めてきたというスタヌリス氏は、カニエのことを自分が仕事をしたなかで「一番好きではないセレブ」だと明言。
ベテラン・ボディガードという立場から、ときにはクライアントであるカニエと対等に言い合うこともあったというスタリヌス氏が明かした、カニエから課せられた無茶なルールにはこんなものがある。
カニエの俺様ルール その1
「つねに20歩後ろを歩くべし」
スタリヌス氏はカニエから、街中などでは、つねに自分の“10ペース”後ろを歩くように言われていたそう。10ペースとは、歩幅にすると20歩ほどで、メートルに換算すると約10メートルほどに相当する。
これについてスタリヌス氏は、「もし誰かが近づいてきて、彼に何かしようとしたら、私は走って駆けつけてそれを守らなくてはならないということです。そんな事をしている間に、すでにヤられていると思いますけどね」と護衛のプロの観点から見て、危険すぎるとツッコミを入れている。
カニエの俺様ルール その2
「エレベーターのボタンは俺に押させるな」
カニエの元で働くことになった初日、スタヌリス氏とカニエが初対面を果たしたのは、とあるスタジオだったという。カニエが到着し、どこへ向かうのか分からないまま、一緒にエレベーターに乗ったスタヌリス氏だったが、カニエの口から飛び出したのは、「これから行く階のボタンを押さないのか?」という突然の指摘。
驚いたスタヌリス氏が「どの階に行くのか、私は知りませんから。今日が勤務初日ですし」と、勝手がわからないことを伝えると、カニエはイラついた様子で「俺がどこへ行くのか事前に電話をかけて確認しなかったのか?」とコメント。スタヌリス氏が「いいえ」と答えるとカニエは怒りをぶちまけ続けたという。
スタヌリス氏はカニエの傍若無人ぶりには屈せず、「いいですか? 私たちには、3通りの選択肢があります。まず1つ目は、あなたがどの階のボタンを押すべきかを私に教えること。2つ目は、あなたが自分でボタンを押すこと。3つ目は、あなたが一日中ここに居座って、自分の時間がいかに貴重なものであるかを私にとうとうと説明し続けること。それではどこにも行けませんがね」と返事をしたそう。結局、カニエは1つめのオプションを選択し、スタヌリス氏がボタンを押したという。
カニエの俺様ルール その3
「パパラッチ写真に写り込むべからず」
外出時には、これまで担当していたほかのセレブと比べても、不自然なほど、必ず建物の外に大量のパパラッチが待機していることから、カニエと妻でリアリティスターのキム・カーダシアンが、自らパパラッチに外出時間を連絡して、彼らを招集しているに違いないと考えているというスタヌリス氏。
カニエとキムがパパラッチと“ウィンウィンな関係”を築いていることを確信しているスタヌリス氏は、その証拠に、カニエがパパラッチに囲まれてしまった場面で、自分がカニエの前に出て守ろうとすると、カニエからは「俺のショットに入るな」と叱られたという。
スタヌリス氏は、「私はあなたの前を歩いて身を守る必要があります。無事を確認しなければいけません」と主張したが、カニエは、そんなことはお構いなしで、とにかく写真撮影を邪魔するなと怒り心頭だったそう。
カニエの「良い所」
インタビュー内で、カニエを、これまで仕えたセレブのなかで「最もワガママで、気分屋で、チップもはずんでくれないセレブ」だと酷評し、二度と仕事はしたくないとキッパリ言い放ったスタヌリス氏。
しかし、そんな彼が、1つだけ、カニエに関して一目置いているポイントがあるそう。
それは、カニエが、かなりの働き者だということ。スタヌリス氏は、「その点だけは、いつも尊敬していました」と、じつはとても頑張り屋さんなカニエの素顔を褒めていた。(フロントロウ編集部)