Photo:ゲッティイメージズ、スプラッシュ/アフロ、YouTube
2018年にリリースされたチャイルディッシュ・ガンビーノの「ディス・イズ・アメリカ」が、アメリカのSpotifyのチャートで2位となっている。(フロントロウ編集部)

「ディス・イズ・アメリカ」が再び注目されることに

 チャイルディッシュ・ガンビーノという名でシンガーとしても活躍するドナルド・グローヴァーが2018年にリリースした楽曲「ディス・イズ・アメリカ」。この楽曲は、銃乱射事件や、黒人に対する人種差別などの社会問題を色濃く反映させた楽曲。MVは、2015年に米サウスカロライナ州の教会で白人男性が9人の黒人を射殺した銃乱射事件がモチーフになったり、命より銃が大切と言わんばかりのパフォーマンスが行われたりとその内容が話題を呼び、1週間で再生回数8,500万回を突破。当時の最多再生回数の記録を更新した。

 そんなアメリカの闇を歌った楽曲が、今再び注目を集めており、米Spotifyのランキングでは、ここ数週間で徐々に順位をあげ、ついには2位に浮上。「ディス・イズ・アメリカ」がランキングで順位をあげているのには、アメリカの現状と関係があった。

 現在アメリカの各州では、ブラック・ライヴズ・マター(Black LivesMatter)の名の元、大規模な抗議デモが行なわれている。

画像1: 「ディス・イズ・アメリカ」が再び注目されることに

 これまでも黒人が白人警察官に殺害されたり、白人だからといって罪を犯しても放置されたりする事例が多発してきたけれど、アメリカ・ミネソタ州でアフリカ系アメリカ人男性ジョージ・フロイドが、白人の警察官デレク・ショービン容疑者に殺害された事件をきっかけに、抗議デモへ発展。そしてこの黒人差別について歌った「ディス・イズ・アメリカ」が、再び多くの人に聞かれるようになっている。

画像2: 「ディス・イズ・アメリカ」が再び注目されることに

 また、再び注目されている楽曲は「ディス・イズ・アメリカ」だけではなく、2015年にケンドリック・ラマーがリリースした楽曲「オールライト」もそのひとつ。この楽曲も黒人差別の問題や、アメリカ社会の問題が歌われており、それでも未来は大丈夫という希望のメッセージが込められたもので、実際に2015年にクリーブランド州立大学の学生たちがブラック・ライヴズ・マターの集会後に「オールライト」を歌ったことがある。

 そのほかにも、伝説のヒップホップグループN.W.A.が歌うアンチ警察ソング「ファック・ザ・ポリス」や、パブリック・エネミーの権力と闘えと歌った「ファイト・ザ・パワー」、黒人ということに誇りを持つように歌ったジェームス・ブラウンの「セイ・イット・ラウド・アイム・ブラック・アンド・アイム・プラウド」、そして女優のアンバー・ライリーが今回の抗議デモで拡声器を使って歌ったビヨンセの「フリーダム」などが再び注目されるようになっている。(フロントロウ編集部)

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