映画『名探偵ピカチュウ』の主人公ティム・グッドマン役で知られる俳優のジャスティス・スミスがクィアであることを公表した。(フロントロウ編集部)

デモに参加したことを報告したジャスティス

 映画『名探偵ピカチュウ』や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で知られるジャスティス・スミスが「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」のデモ活動に参加したことをインスタグラムで報告した。

 黒人の命にも価値があるという意味ブラック・ライヴズ・マター運動は、アメリカでここ数ヵ月の間に複数人の黒人が非武装ながらにも警官に殺された事件を受けて、人種差別に抗議する目的で行なわれているもの。

画像: 現地時間6月7日にフィラデルフィアで撮影。

現地時間6月7日にフィラデルフィアで撮影。

 今回、ジャスティスはドラマ『クイーン・シュガー(原題)』などで知られる俳優のニコラス・アッシュと共にニューオーリンズで行なわれたデモ活動に参加した写真をインスタグラムに投稿。さらに、ジャスティスはクィアであることも公表して、ニコラスと交際していることも合わせて発表。クィアやトランスジェンダーの黒人たちの権利を訴えた。

 ジャスティスの投稿の全文訳はこちら。

 今日、ニコラスと僕はニューオーリンズのデモに参加した。『ブラック・トランス・ライヴズ・マター』『ブラック・クィア・ライヴズ・マター』『オール・ブラック・ライヴズ・マター』とチャントしたんだ。黒人のクィアの男性として、熱心に『ブラック・ライヴズ・マター』とは言うのに、トランス/クィアがそこに加わった途端に口をつぐんでしまう一部の人たちにはガッカリだよ。僕は次の感情を繰り返し伝えたい。つまり、この革命に黒人のクィアの声が入っていないのであれば、それはアンチ黒人ということ。黒人のシシェット(※)男性だけを解放するために、トニー・マックデイド(※2)のようなトランスジェンダーの黒人男性を見過ごしてしまうのであれば、それはアンチ黒人ということなんだ。自分に反する体系の扉をこじ開けようとしながら、通り抜けた後ですぐに扉を閉じてしまうようなものだよ。僕らはできる限り、白人や、ストレート、『男性』に近づこうとしている。そこにこそ、権力があるからね。そこにアピールしていけば、もしかしたら分け前をもらえるのかもしれない。けれど、革命はアピールではないんだ。はじめから僕らに与えられるべきものを求めているだけに過ぎない。黒人やクィア、そしてトランスジェンダーたちにはじめから与えられるべきもの。存在する権利だよ。生活し、公共の場で繁栄していく権利。迫害や暴力の脅威を恐れずにね。

 ここ数日間、タイムラインには多くの悲劇が流れていたので、僕とニックの写真で、黒人少年の喜びや、黒人の愛、黒人のクィアの愛を示したいと思う。君は僕を支えてくれる存在で、このような状況において、僕を導いてくれるんだ。愛してるよ。この先には変化が訪れてくれると信じてる。とは言え、闘いはまだまだおわらないけどね。

(※1)生まれた時の身体の性と心の性が一致している「シスジェンダー」と、異性愛を意味する「ヘテロセクシャル」を組み合わせた言葉。

(※2)現地時間5月27日に警察官に射殺されたトランスジェンダーの黒人男性。

 セクシャルマイノリティであることを公表したジャスティスの投稿には多くの人たちから温かいコメントが寄せられており、『名探偵ピカチュウ』でルーシー・スティーヴンスを演じたキャスリン・ニュートンが「愛してる」とコメントしているほか、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で共演したブライス・ダラス・ハワードはいいねで反応を示している。(フロントロウ編集部)

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