ヘンリー王子&メーガン妃からの手紙
2020年3月末で英王室の主要王族の座から離脱し、今後、新たな財団「アーチウェル(Archewell)」を立ち上げて活動を行なっていくことを表明したヘンリー王子と妻のメーガン妃。
メーガン妃の故郷であり、ヘンリー王子にとっては新天地となる米ロサンゼルスで、長男アーチーとともに新型コロナウイルス禍の生活を送っている夫妻は、4月以降も自分たちがパトロンを務めるイギリス国内の慈善団体などとの提携を続け、交流を絶やしていない。
2017年にロンドンで発生したグレンフェル・タワー火災の被災者たちが立ち上げた「ハブ・コミュニティ・キッチン(Hubb Community Kitchen)」を熱心に支援しているメーガン妃。
同コミュニティとのコラボでレシピ本を出版したことでも知られるメーガン妃は、2018年を通して、ときにはお忍びで、ボランティアたちが地域の困窮する人々のために食事を作る厨房に足を運び、彼らと一緒に自ら料理の腕を振るったこともあった。
そんなハブ・コミュニティ・キッチンは、新型コロナウイルス禍でもフル稼働。ここで作られた料理は、慈善団体「ストリート・ゲームズ(Street Games)」により、食事を必要とする人々に届けられている。
ヘンリー王子とメーガン妃は、連名でストリート・ゲームズの活動に感謝する手紙を送付。
6月19日付で送られた手紙には、「ハブ・コミュニティ・キッチンが用意する食事をロンドン中の人々に届けてくださっているストリート・ゲームズの皆さんに、心からの感謝の気持ちを込めて手紙を送ることにしました」というお礼の言葉とともに、「新型コロナウイルスの影響は、世界中のあらゆる立場の人々を恐怖と試練の時に直面させています。しかしながら、このような困難な時にこそ、人に対する思いやりや共同体の精神が広まるのです」などという激励の言葉も綴られていた。
Wow! Thank you so much Harry and Meghan for your kind words and your continued support for StreetGames and the brilliant local organisations working to support their communities in these challenging times pic.twitter.com/4h9bMGTuTR
— StreetGames (@StreetGames) June 21, 2020
便箋に印刷された「ロゴ」に視線が集まる
ストリート・ゲームズの公式ツイッターで公開された手紙の最後は「Harry & Meghan(ハリー&メーガン)」と称号・肩書き無しの署名で結ばれており、夫妻が王族ではなくなった証なのだとしみじみと実感するロイヤルウォッチャーも多くいた。
しかし、その一方で、便箋に印刷された、ヘンリー王子とメーガン妃が結婚以来使用している“王冠”のモチーフが含まれるロゴの使用に違和感を訴えるツイッターユーザーも。
「まだあのロゴ使ってる! ロイヤルの暮らしから退くということの意味がわかってないんじゃない?(ロイヤルとしての)仕事はしないくせに、甘い蜜だけ吸おうっていうの?」、「ハリーは王室のすべてから立ち去ったんだから、王冠のロゴも捨てるべき。メーガンがロイヤルだったことなんて一時も無いしね」といった辛辣なコメントも寄せられた。
ヘンリー王子のイニシャル「H」とメーガン妃のイニシャル「M」を組み合わせ、その上に王冠を配したロゴは、3月末の王室離脱以降、更新をストップした2人の公式インスタグラムアカウントの投稿やプロフィール画像にも使われていた。
王室専門家は「問題なし」とみる
一部の人々が難色を示しているヘンリー王子とメーガン妃の“王冠ロゴ”使用だが、ベテラン王室コメンテーターのリチャード・フィッツウィリアムズ氏は、2人がこのロゴの使用を継続することには何ら問題も無いと米Insiderに解説している。
その理由は、高位王族退位後も、ヘンリー王子が直系の王族であり、やがて王となるであろうチャールズ皇太子の息子だという事実には変わりなく、さらにメーガン妃もヘンリー王子との結婚により形式上、王冠を授かった身だから。
さらに、フィッツウィリアムズ氏は、夫妻が現在も高位王族時代と同じロゴが入った便箋を使い続けざるを得ない理由について「非営利チャリティ財団であるアーチウェルが、パンデミックの影響でまだ発足できていないため」なのではないかとも推測している。
アーチウェルの発足に際しては、パンデミックの影響で発表を延期することを明らかにしているヘンリー王子&メーガン妃。3月には、アメリカ特許商標庁に商標登録申請を行なったものの、申請書に不備が見つかったり、財団の活動内容に関する説明が広範囲にわたりすぎて曖昧なため、認可に遅れが出ていると英The Sunが伝えた。
高位王族ではなくとも「王冠ロゴ」を使うロイヤルはほかにも
高位王族ではないものの、王冠のモチーフを取り入れたロゴを使用しているロイヤルファミリーはほかにもいる。
ヘンリー王子の従姉妹にあたるベアトリス王女&ユージェニー王女姉妹は、高位王族ではないが、それぞれ王冠のモチーフを使ったロゴの入ったカスタムグッズを使用。それぞれのパートナーとの連名で手紙を出す時なども、王冠ロゴが印刷された便箋を使っているが、それが問題視されたこともない。
So I saw some headlines questioning Harry and Meghan's logo on their last letter. So I googled other non working royals and found this. What's the problem with British media? pic.twitter.com/nLxoMmqhCr
— Agathe de Lili (@AgathedeLili) June 22, 2020
ヘンリー王子&メーガン妃の王冠ロゴの使用継続については、世間で賛否両論となっているが、おそらく夫妻は、アーチウェルの商標が無事取得できた暁には、ロゴも一新するのではないかと見られている。(フロントロウ編集部)