パブリック・エネミーが「Fight The Power」をパフォーマンス
BETアワードでの1番のハイライトと言っても過言ではないのが、パブリック・エネミーのパフォーマンス。パブリック・エネミーがパフォーマンスした「Fight The Power(ファイト・ザ・パワー)」は、1989年にスパイク・リーの映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のために作られた楽曲だけれど、アメリカの各州で行なわれているブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)の大規模な抗議デモの影響もあり、今再び多くの人に聞かれている。
BETでは、「僕はただ生きたいんだ」と歌った自作曲で注目を集めた12歳の少年キードロン・ブライアントの歌からはじまり、抗議デモの映像を使い、Nasやザ・ルーツのブラック・ソート、YG、ラップソディーらを伴ってオンラインながらパワフルな「Fight The Power」を披露した。
ブルー・アイヴィーちゃん受賞
母ビヨンセが声優を務めた映画『ライオン・キング』のインスパイアード・アルバム『The Lion King: The Gift(ザ・ライオン・キング:ザ・ギフト)』で「Brown Skin Girl(ブラウン・スキン・ガール)」という楽曲に参加したブルー・アイヴィーちゃん。BETアワードでは、ブルー・アイヴィーちゃんが参加した「Brown Skin Girl」がBET Herアワードにノミネートされていたけれど、見事受賞。ブルー・アイヴィーちゃんは、ソウル・トレイン・アワードのアシュフォード&シンプソン・ソングライターズ・アワードに続き、8歳で2つのタイトル保持者に。
ジェニファー・ハドソン、アレサ・フランクリンの名曲を熱唱
2018年にすい臓ガンで亡くなったソウルの女王であるアレサ・フランクリンは、「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman(ナチュラル・ウーマン)」や「Respect(リスペクト)」などの数々の名曲を世に送り出してきた名シンガー。アレサの伝記映画『リスペクト(原題:Respect)』でジェニファー・ハドソンがアレサ役を務めることが決定しており、ジェニファーは、BETアワードでアレサの「Young, Gifted & Black(ヤング、ギフテッド&ブラック)」を弾き語りで披露。ヤマハのピアノを使いながら、高らかに歌いあげた。
アリシア・キーズ、「Perfect Way To Die」をライブで初披露
1865年6月19日にテキサス州で奴隷解放宣言が発令されたことを記念し、アメリカでは6月19日がジューン・ティーンスという記念日に。この日にアリシア・キーズが、「Perfect Way To Die(パーフェクト・ウェイ・トゥ・ダイ)」という楽曲をリリース。この楽曲は、近年アメリカで白人警察によって黒人が殺される事件が多発していることから、警察の暴力によって子供を亡くした母親の視点から描かれている。アリシアは「Perfect Way To Die」のパフォーマンスをBETアワードではじめて行なった。
ダベイビー&ロディ・リッチ、ジョージ・フロイドの最期を再現
ダベイビーがロディ・リッチをフィーチャリングとして迎えた楽曲「Rockstar(ロックスター)」は、米BillboardのHot 100で1位を獲得するほどヒット中。BETアワードでは、「Rockstar」のパフォーマンスを行なったのだけれど、楽曲冒頭から、ダベイビーが警察にヒザで押さえつけられながらパフォーマンスしている姿は、2020年5月にミネアポリスにて白人警察に道路で首をヒザで約9分間圧迫されて殺害されたジョージ・フロイドの最期を彷彿とさせるようと話題に。ちなみにダベイビーは、BETアワードで最優秀男性ヒップホップアーティスト賞を受賞した。
オンラインでも美しく着飾る
本来であれば、ノミネートされたアーティストたちが会場できらびやかなドレスを着用して、会場に華を添えるのだけれど、2020年のBETアワードは、新型コロナウイルスの影響のためオンライン上でアワードを開催。オンライン上というヴァーチャルアワードにはなったけれど、人道賞を受賞したビヨンセはアレッサンドラ・リッチ(Alessandra Rich)のブラックドレス、最優秀女性R&B・ポップアーティスト賞を受賞したリゾは、片腕にボリューミーなラッフルがあしらわれたモノ(Mônot)のドレスを着用し、オンラインでも通常のアワードさながらの抜かりないスタイルで登場した。
(フロントロウ編集部)