低予算バージョンの有名映画
Studio 188は、有名なハリウッド映画の低予算バージョンを作り発信しているロシアのチーム。2018年8月に、突如としてMCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の完コピ動画をアップしてからというもの、『ダークナイト』や『キル・ビル』、『スター・ウォーズ』など様々な作品の低予算制作バージョンを公開している。
彼らはハリウッド映画にとどまらず、『X-ファイル』や『ゲーム・オブ・スローンズ』などのドラマや、BTSのPVをカバーした作品も精力的に生産しており、アニメ『セーラームーン』の動画が公開された際には、日本でも物議を醸した。
彼らの動画は、一つ一つの小道具は雑すぎるというのに、妙に動きやタイミングが本物とぴったり合っているところが特徴。その場しのぎの制作と衣装にもかかわらず、なんとも言えないバランスを保っているところが、世界中のファンを魅了している。
『ターミネーター2』の低予算バージョン
そんなStudio 188が2018年11月7日に配信した動画が、あのアーノルド・シュワルツェネッガーが主演の映画、『ターミネーター2』の低予算バージョン。
未来で繰り広げられる人類と機械との果てしない闘いを描いたSF大作の『ターミネーター』は、映画『アバター』や『タイタニック』を生んだジェームズ・キャメロン監督の傑作で、その制作費は約140億円。そんな作品を低予算でリメイクした動画がこちら。
突っ込みどころが多すぎてどこから見ていけば良いのかわからないというのに、なぜか“似ている”と思わせてくるこの謎クオリティ。このチームにかかれば、T-800が溶鉱炉に沈んでいく名シーンも、謎の物体をトマトスープに沈ませるだけで表現できる。
インドのメディアScroll.inのインタビューに答えたStudio 188によると、これらの動画を作るのは意外にも多くの時間がかけられており、たったの1ショットを作り上げるためだけに、10時間もかかることもあるという。ちなみに、『ターミネーター2』の動画を作る際に大変だったことは、体を絵の具で塗りつぶして何時間も動き回らねばならなかったことだそう。
チームのメンバーであるエフゲニーは、「誰もが、僕たちが楽しんで撮影をやってると思っているだろうけど、それは違う。3時間もすると、とても疲れて悲しくなってくる。本当はすぐに撮影をやめて、PS4でゲームしながらビールを飲みたいと思っているんだ。それでも僕らは制作をやめない」と、自虐がピリッと効いたロシアンジョークで答えていた。
チームのメンバーは5、6人で、ロシア人とベラルーシ人で構成されている。彼らの動画で一番閲覧数が高いものは、こちらの『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、再生回数は727万回を超えている。
(フロントロウ編集部)