ウィル・スミスの制作会社で集団感染
映画『バットボーイズ』シリーズや『アラジン』などで知られる俳優のウィル・スミスが、妻で同じく俳優のジェイダ・ピンケット・スミスとともに運営陣に名を連ねるアメリカの芸能プロダクション、Westbrook Inc.(ウェストブルック・インク)で、先週、計10名のスタッフが新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと、米Varietyが同社からの声明をもとに報じた。
同社は、ロサンゼルス郡公衆衛生局による映画やテレビ、音楽の制作に関する新型コロナウイルス感染拡大防止のガイドラインに沿って、いくつかのプロジェクトの制作を行なっていたが、抗原検査(Rapid ReliableTest)の結果、そのうちのあるプロジェクトに携わる10名のスタッフが陽性判定を受けたと説明。
感染が確認されたスタッフたちは、いずれも無症状だったという。同プロジェクトは一旦制作を休止し、クルーたちは全員、数日間の隔離を実施。その後、再度行った同様の検査では、前回陽性判定を受けた10名全員に陰性の結果が出たという。
Westbrook Inc.は、感染が確認されたスタッフたちが携わるプロジェクト名や、隔離期間は何日間だったのか、隔離を実施した社員の合計が何名だったのかといった詳しい情報は開示していない。
声明では「弊社は10名の陽性判定を受け、クルーたちは隔離を実施、または現在も実施中です。該当の10名は再検査を受け、いずれも陰性と判定されています。引き続き、公式ガイドラインと安全基準に従います」と発表している。
ウィル&ジェイダが感染したとの情報はない
陽性判定から数日を経て行なわれた再検査で10名全員に陰性判定が出たという情報に関して、米Varietyは、以前から、PCR検査に比べて精度が低いと言われている、短時間で検査結果が出る抗原検査の信憑性について疑問視している。
Westbrook Inc.の本社オフィスは、ウィルとジェイダの自宅があるロサンゼルスの高級住宅地カラバサスにあるが、感染が確認されたスタッフたちが、どこで仕事をしていたのかは明かされていない。
ウィルや妻のジェイダが陽性判定を受けたという情報はなく、夫妻はこの件に関しては、現時点では、直接コメントなどは出していない。
新型コロナ禍で、ウィルとジェイダはSNSやトーク番組『Red Table Talk』を通じて、感染拡大予防にまつわる有益な情報をフォロワーや視聴者たちに届けようと尽力してきた。
4月には、ウィルが自身のスナップチャット番組でホワイトハウスのコロナウイルス・タスクフォースの主要メンバーの1人として活躍する免疫学者のアンソニー・ファウチ医師と対談し、予防やウイルスに関して知識を深めるためにQ&Aを行なった。
米国内の映画やテレビ、音楽といったエンターテイメントの制作会社でクラスターが発生したのは、Westbrook Inc.が初めてだという。(フロントロウ編集部)