コロナ禍で大規模ハウスパーティー開催の人気TikTokerに制裁
新型コロナウイルス感染拡大防止のためのソーシャル・ディスタンス(社会的距離の確保)のルールに違反し、高級住宅街ハリウッド・ヒルズにある豪邸で100人以上のゲストを招いて誕生日パーティーを開催していた人気TikTokスターにロサンゼルス市が手厳しい制裁を加えた。
それは、パーティーが行なわれていた家の電気やガス、水道といった公共サービスを市の権限で一時的に遮断するというもの。
同市のエリック・ガルセッティ市長は、現地時間の8月19日夕方、「本日、私は、ハリウッド・ヒルズにある一軒家で行なわれていた、公衆衛生規定に著しく違反する大規模パーティーを中止させるため、市に同宅の公共サービスを停止する許可を出しました。このようなパーティーは、ウイルスを急速に、そしていとも簡単に拡散させ、私たちのコミュニティを危険に晒します」とツイッターで発表した。
Today I authorized the City to disconnect utility service at a house in the Hollywood Hills to stop the large parties held there in flagrant violation of our public health orders. Parties like these can quickly and easily spread the virus and put our communities at risk.
— MayorOfLA (@MayorOfLA) August 19, 2020
ガルセッティ市長のツイートでは、プライバシーに配慮してか、この邸宅の住所や家主などは明かされなかったが、その後、米New York Timesの記者が、同物件が人気TikTokerのブライス・ホールとその仲間たちによってレンタルされていたものであるとツイッターを通じてスクープ。
同記者は、「複数回の警告にもかかわらず、この邸宅はナイトクラブと化し、公衆衛生規定に著しく違反する大規模集会を開催し続けました」という市長の広報担当が出した公式声明も公開した。
新型コロナウイルスの感染者数が22万人を超えるロサンゼルス市は、規則を無視して大規模パーティーを行なう人々が相次ぐなか、8月始めに取り締まりの強化を発表。警告に耳を課さない場合には、開催場所の電気や水道を止めるという措置も辞さないと発表していたが、今回はそれが実行されたことになる。
パーティーの様子がSNSで拡散されまくっていた
ライフラインを遮断されるという、きついお灸を据えられたブライスは、フォロワー数1300万人を誇る人気TikTokerでYouTuberとしても活動している。
ブライスは、年収1.58億円を稼ぎ出し、米経済誌Forbesが先日発表した2020年版の「世界で最も稼ぐTikTokerランキング」の5位にランクインしたジョシュ・リチャーズも所属するTikToker集団「Sway House(スウェイ・ハウス)」のメンバー。
海外TikTokerの間では、人気ユーザー同士がユニットを組んで豪邸を借り、共同生活を送りながらコンテンツ制作に励むというのがトレンドとなっているが、ブライスが所属するSway HouseもそういったTikTokerハウスの1つ。
端正なルックスやリッチなライフスタイルが若者から羨望の眼差しを集める一方で、以前から問題行動が目立っており、5月には、テキサス州へのロードトリップ中に、もう1人メンバーとともに大麻所持の容疑で逮捕されるという騒動も起こしている。
Sway Houseのメンバーたちは、8月に入ってから連日ハウスパーティーを主催しており、14日のブライスの21歳の誕生日にも100人以上を招いて、ストリッパーまで雇った盛大なハウスパーティーを開催。
参加者たちがマスクもせずに“寿司詰め状態”で入り乱れる様子がSNSに投稿されまくっており、朝4時頃に警察が駆けつけ、ようやくパーティーがお開きとなった瞬間もTwitterなどで拡散された。
LAPD outside Bryce Hall’s party at the Sway House via @thetiktokroom pic.twitter.com/rMprzPw62k
— Def Noodles (@defnoodles) August 15, 2020
ちなみに今回、市から取り締まりを受けた邸宅は、ブライスらSway Houseのメンバーらが本拠地としている豪邸とは別にレンタルされたものだったそう。
インフルエンサー主催の大規模パーティーが相次ぐ
ロサンゼルス近郊では、TikTokerだけでなくYouTuberなどの著名なインフルエンサーによる大規模ハウスパーティーの開催が相次いでおり、問題視されている。
セレブたちも多く暮らすカラバサスでは、YouTuberのジェイク・ポールが7月から何度も大規模なハウスパーティーを開催。市長から警告を受けたり、警察が出動する事態に。それでも、“自分のやりたい事をやる”と、コロナ禍だろうと自由に楽しむ権利を主張し、今後もパーティーの開催をやめるつもりはないという意向を表明しているが、世間からは、ブーイングの嵐となっている。
今回の件について、ブライスはとくにコメントを出していないが、TikTokにお得意のダンス動画を投稿し「なんか、家の電気がチカチカするんだけど」と電気を止められた騒動を連想させるキャプションを添えていた。ちなみに、パーティー当日も水道だけは止められることなく機能していたよう。
@brycehall our lights keep flickering for some reason @blakegray @noahbeck
♬ bad bleep - _.multii._.fandom._
悪びれる様子は微塵も感じられないが、ブライスらは今後も違反を続けるのだろうか? (フロントロウ編集部)