大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス』に出演する俳優のノア・シュナップが、友人たちとのおふざけの最中に「人種的中傷」ととらえられる差別用語を連呼したとの疑惑が浮上。1年越しに流出した動画に関して、ノアが釈明した。(フロントロウ編集部)

ノア・シュナップが「人種差別用語」を連呼したとの疑惑が浮上

 Netflixのオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のウィル役でおなじみの俳優ノア・シュナップ(15)が黒人に対する人種的中傷として知られる通称「Nワード」を面白半分に連呼しているように見える動画が流出。

 これを受け、世間からブーイングが殺到し、ツイッター上では「#NoahSchnappIsOverParty(ノア・シュナップは終わりだ)」といったノアのキャリアの“終了”を宣言するハッシュタグが頻用されるなか、ノア本人がインスタグラムストーリーを通じて釈明のコメントを発表した。

画像: 『ストレンジャー・シングス』のキャストたちと。

『ストレンジャー・シングス』のキャストたちと。

 問題視されているのは、ノアが2019年の夏に友人たちとキャンプに出かけた際の車内で、ラッパーのリル・ディッキー(Lil Dicky)とシンガーのクリス・ブラウンのコラボ曲「Freaky Friday(フリーキー・フライデー)」を熱唱した動画。

 2018年リリースの「Freaky Friday」は、2013年に公開された、母娘の“入れ替わり”を題材にしたリンジー・ローハン主演のコメディ映画『フォーチュン・クッキー』(原題:『Freaky Friday』)をパロディしたもので、白人であるリル・ディッキーが「ある日突然、黒人になっていたら…?」というコンセプトで展開する。

 ミュージックビデオも、リル・ディッキーと黒人の血を引くクリスの中身が入れ替わってしまったという体でコミカルに描かれており、サビの部分では、「Wait, can I really say the n-word?(え、じゃあNワードを言っても良いってこと?)」という前フリの後に、黒人同士が親しみを込めて使用するのはOKだが、白人やそのほかの人種が口にすることはタブーであるNワードを連発する歌詞が続く。


ノアは「Nワード」は使っていないと主張

 約1年越しにネット上に流出した友人が撮影した動画の中で、ノアは車内で流れていた「Freaky Friday」をノリノリで歌唱。

 サビの部分も大声で熱唱しており、白人である彼が悪びれることもなく「Nワード」を連発しているように見えることや、途中、後部座席に座る黒人系の少年にカメラが向けられるシーンが収められていたことも重なり、ノアや同行していた友人たちの行動が人種差別的だという非難が殺到した。

 これに対し、ノアは、インスタグラムストーリーを通じて事の真相を弁解。「Nワード」は断じて使っていないが、響きが似ている“別の言葉”を代用して面白がってしまったことを謝罪した。

画像: ©Noah Schnapp/Instagram

©Noah Schnapp/Instagram

 以下、フロントロウがノアの釈明コメントを全文訳。

「やあ、みんな。最近、去年の夏に僕がNワードを『neighbor(ネイバー/隣人・ご近所さん)』という言葉で代用して歌って踊る動画が流出しました。僕はNワードなんて絶対に口にしません。だって僕はそういうタイプの人間じゃないから。人生において、Nワードを使ったことなんて一度もありません。あの曲の歌詞を『neighbor』という言葉に置き換えて歌うというのは、僕とキャンプに一緒に行った友だちの間での内輪のジョークでした。僕は、Nワードを言うつもりなんて、まったく無かったということを、みなさんどうか理解してください。もし僕が実際に、何のためらいもなくNワードを口にしていたとしたら、僕の友だちはそんな動画を投稿するわけがないし、僕のそんな言動をサポートしたりしない。別の言葉で代用したことに関しては謝ります。あんなことをするべきじゃなかった。口を慎むべきでした。この件が、一部で侮辱的だととらえられた理由を僕は理解しています。本当に申し訳ありませんでした」

 歌詞のNワードを、その言葉と韻を踏む「ネイバー」に置き換えて歌っていただけで、実際にはNワードは使用しておらず、悪気もなかったと主張したノア。

 この弁明を受けて、SNS上では、該当の動画をスローモーションで再生し、ノアが実際に「ネイバー」と言っているようだと確認するユーザーも。その一方で、「苦しい言い訳だ」とさらに批判を強める人々もいる。


Nワードは「黒人以外」の使用は禁忌

 Nワードは、黒人以外にとっては、たとえ歌の歌詞の一部であろうと口にしてはいけない禁句として知られており、とくに世間への影響力が大きいセレブたちの使用に関しては、たとえそれが過去の言動だったとしても、SNS上で掘り返され、追及されるケースが多い。

 2017年には、ランジェリー・ブランド、ヴィクトリアズ・シークレットのモデルたちが、バックステージ映像の中で、当時大ヒットしていたラッパーのカーディ・Bの楽曲「ボダック・イエロー」の歌詞に登場するNワードを躊躇なく歌っていたことで波紋が広がった。

画像1: Nワードは「黒人以外」の使用は禁忌

 さらに、2019年末には、シンガーのカミラ・カベロが、15歳の頃にSNS上で行なった、Nワードを含む人種差別的な言動が問題視されてバッシングを受け、「自分の言動を心の底から後悔しています」と謝罪した。

画像2: Nワードは「黒人以外」の使用は禁忌

 Nワードは、とくにヒップホップ系のアーティストの楽曲に取り入れられることが多いが、昨今、黒人に対する差別に抗議するムーブメント「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」が激しさを増すなか、世間、とくにまだ無知で事の重大さを理解できない若い世代への影響を考慮して、むしろアーティスト側がNワードを含む歌詞を採用するべきではないのではないかという意見もある。(フロントロウ編集部)

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