精神的に参っていた時期に書き始めたアルバム
ケイティ・ペリーが本日8月28日に通算5作目となるニューアルバム『スマイル』をリリースした。リリースの直前には、婚約者で俳優のオーランド・ブルームとの間に第1子となる女の子デイジー・ダヴちゃんが誕生するという、まさにアルバムのタイトル通りファンを笑顔にしてくれるような嬉しいニュースがアルバムのリリースに花を添えてくれたけれど、ケイティいわく、アルバムの『スマイル』というタイトルには、「笑顔を取り戻そう」という思いが込められているのだそう。
ケイティは以前、2017年にリリースした前作『ウィットネス』のセールスが伸び悩んでしまったことがきっかけで、精神に反応が現れてしまうほど落ち込んでしまったことを明かしていたのだけれど、新作『スマイル』はそんな時期に書き始めたアルバムなのだそう。『スマイル』のリリースに先駆けて応じたオフィシャルインタビューのなかで、ケイティは本作の制作に取り掛かり始めた当時を次のように振り返っている。
「このアルバムに最初に取り掛かったのは、前作『ウィットネス』のツアー中だったから、2年くらい前かな。でも、その時はアルバムを作るつもりだったわけじゃなくて、ただ思いつくままに曲を書き続けていただけだったの。思いを曲にして表現することで、自分が抱えているものをきちんと理解したくて。取り組み始めた当初は、人生で一番に近いくらい精神的に参っていた時期で、ものすごく落ち込んでいたから、そこから抜け出すために曲を書こうとしていた。8月28日にリリースされる今回のアルバムは、立ち直る力や、諦めない心、励まし、そして希望と喜びに満ちた作品にできたと思っている。人類として、私たちは今、かつてないほどに元気を必要としていると思っていて。誰だって最高の人生を送りたいと思っている。一夜にして人生が変わることもあり得るということが分かったなかで、生きていることを当たり前と思ってはいけないし、夢を棚上げにしてはいけないと思うの。手を伸ばせばきっと届くはず。このアルバムの多くの曲で、そういったことを歌っているの。今年の夏は誰しもが、安全な環境さえあれば、屋外や家の中で、あるいは友達と一緒に踊りたいと思っているはず。そしたら、新しい音楽が必要でしょ。このアルバムでは、そういう場面に最適な音楽を届けられるんじゃないかな」
ケイティはインタビューのなかで、『スマイル』というタイトルに込めた思いについても明かしている。新型コロナウイルス禍で、ここ日本でもマスクの着用がほとんど日常の習慣の1つとなっているけれど、ケイティによれば、マスクの着用によって、人々の“笑顔”が見られなくなってしまったことに対する思いも込められているそう。ケイティは次のように語っている。
「今回のアルバムのタイトルは『スマイル』。『スマイル』という表題曲が収録されていて、要するに、“笑顔を取り戻そう”というのがテーマなの。しばらくの間、私は笑顔を失っていた。しばらく笑えなくなっていたから、感情的にも、心理的にも、精神的にも、笑顔を取り戻すための旅に出て、自分の真価を理解しなくてはならなかった。その過程で、思いがけず世界がこんな状況になり、おそらく、たくさんの人が笑顔を失ってしまっていると思う。今までなかったことだけど、常にマスクを着けていなきゃならなくて、人が笑っているかどうかも分からない。だから最近は笑顔が見られると、いっそう素敵だと感じるのよね。それが本作のテーマ。つまり、笑顔を取り戻すということ」
本作にはケイティのそんな気持ちが特に込められた表題曲「スマイル」のほかにも、「周りの声は気にしない、私は私。強く生きるの」と力強く歌われる、娘デイジーちゃんと同じ名前がつけられた「デイジーズ(Daisies)」など、聴く人たちを元気づけ、笑顔にしてくれる曲が盛りだくさんなので、ぜひ聴いてみて。(フロントロウ編集部)