70代のビル・ナイが性差別を批判
イギリスの名俳優ビル・ナイといえば、映画『ラブ・アクチュアリー』の口の悪いロックスタービリー、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』のティムの父、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのデイヴィ・ジョーンズなど、幅広い数多くの役柄をこなしてきた。
今年で71歳となるビルだけれど、その考えは非常に先進的。英The Guardianのインタビューに応じた彼は、こう話し始めた。
「男性は何世紀にもわたって、すべての物事で責任から免れてきた。完全に頭がおかしい。私達が性の政治に取り組まないかぎり、世界はきちんとは動かないだろう。いまだ文明の発展を止めようとする勢力がある。そしてその勢力は今、非常にその活動に力を入れている。みんなが2020年の時代にまで残ると思っていなかった中世の産物だよ」
演劇や映画のファンから高い人気を誇るビルは、過去に演じてきた憎めないキャラクター同様、インタビューなどでもユーモアを交えて会場を楽しませることも多い。人をイジったり、はたまたバカにしたりして笑いを取る人もいるけれど、ビルのユーモアが多くの人から受け入れられるのは、そういった深い考えが彼の中にあることも理由の1つかもしれない。さらにビルは、こう続けた。
「正直、どのバージョンの男性像も好きじゃない。そういった男性らしさの表現が、魅力的だと感じたことは1度もない。若い頃は、男性グループの中では静かにしていたものだよ。自分は他の男性とは違うと感じていたから。男性は感受性が少ないと言われるけど、どうなんだろうね。私は女性になったことはない。どうやってそんなことを測るんだい?私は、自分には感情があると知っている。そして、女性は(男性より)弱いというのは、男性によるプロパガンダであることも知っている。さらなるでたらめだよ」
性差別に声をあげる男性達
70代のビルが、こういった意見を発信する重要性は計り知れない。とはいえ、現在では多くの男性セレブが、フェミニストであることを公言している。
ビルと同じくイギリス出身のシンガーであり俳優のハリー・スタイルズは、「若い女の子は解ってないなんて、どうしてそんなことが言えるの? 彼女たちは我々の未来だよ。将来、医師になったり、弁護士になったり、母親になったり、首相になったり…。世界を回していくのは彼女達だよ」と、とくに若い少女達が声をあげると、その声をかき消そうとされることについてコメント。
その他にもイギリスのヘンリー王子は、「少女達がチャンスを掴むうえでの障壁が多すぎます。多くの国々において、若い女性や女の子達は、男の子達と比べてきちんと守られていません。私のような男性がそれについて理解し、声を上げることは非常に重要です。少女達の未来について語るのは、女性だけでは不十分です」と、社会的優位に立ちやすい男性側からのアプローチも重要だと話している。(フロントロウ編集部)
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