『ブラックパンサー』続編の撮影に臨めると確信していた
結腸がんとの闘病の末に亡くなった俳優のチャドウィック・ボーズマン(享年43歳)が、逝去の約1週間前まで、病に打ち勝ち、代表作である映画『ブラックパンサー』の続編の撮影に臨めると確信していたと、ある関係者が米The Hollywood Reporterに語った。
関係者によると、チャドウィックは、数カ月間で目に見えて体重が落ちてしまったものの、亡くなるおよそ1週間前まで、がんを克服し、体重を元に戻して、来年3月からの開始が予定されている『ブラックパンサー』の続編の撮影に臨めると信じていたと明かしている。
闘病を知っていたのは家族とごく一部の関係者のみ
さらに、9月から撮影が始まる予定だった別の作品の準備にも取り掛かろうとしていたというチャドウィック。
パパラッチが撮影した写真がきっかけで、激ヤセが話題になったことはあったが、彼ががんを患っていることは、彼の家族以外には、映画制作プロダクションの共同パートナーや長年にわたって世話になっていたエージェント、体づくりに協力していたパーソナルトレーナー、彼のブレイク作となった映画『42〜世界を変えた男〜』のブライアン・ヘルゲランド監督を含む、ほんの数人の関係者にしか知らされていなかったそう。
制作進行に支障をきたしてはいけないという想いからか、それとも、絶対にティ・チャラ/ブラックパンサーの役を全うしたいという想いからか、チャドウィックは自身が抱えている病については伏せておくことを望み、『ブラックパンサー』のスタッフや共演者にも闘病については一切知らせていなかった。
マーベル・スタジオの代表を務めるケヴィン・ファイギが、チャドウィックが病に侵されていることを知ったのも、彼の死を伝える緊急のメールだったという。
『ブラックパンサー』続編は “妹”が引き継ぐ可能性も?
The Hollywood Reporterによると、『ブラックパンサー』および、MCU作品の制作を手がけるマーベル・スタジオを傘下に擁するウォルト・ディズニー・スタジオは、今は、続編の制作を進めることよりも、チャドウィックを追悼することにフォーカスしているというが、現在のところ、公開予定は2022年内で変更はないという。
チャドウィック亡き今、『ブラックパンサー』の続編に関しては、チャドウィックの代わりなど誰にもできるはずがないという想いから、一部のファンたちの間で、いっそのこと制作を取りやめて欲しいという声や、彼が演じたティ・チャラの「代役は立てて欲しくない」という声が湧きあがっている。
そんななかで、理想的だと支持を集めているのが、第1作目で俳優のレティーシャ・ライトが演じたティ・チャラの妹シュリを“新たなブラックパンサー”として描く物語にしてはどうかというアイディア。
コミック版ではシュリがブラックパンサーを受け継ぐというスピンオフ作『Shuri(シュリ)』が存在することから、もっとも自然な流れになるのではないかと言われている。
『ブラックパンサー2』でも続投するライアン・クーグラー監督は、チャドウィックの訃報を受けて発表した追悼メッセージのなかで「僕は去年1年を、彼(チャドウィック)にどんな台詞を言ってもらおうかと想像し、準備を重ねながら過ごしました。それをみなさんにお見せできない運命が待っているなんて…。彼がモニターに映し出されるのをもう二度と見ることができないなんて、彼に歩み寄り、もう1テイクやってみて欲しいとお願いすることができないなんて、悲しくて仕方ありません」と、続編ではもうチャドウィックと一緒に仕事ができないことを非常に残念に思っているとコメントしている。(フロントロウ編集部)