映画『ブラックパンサー』のプロデューサーであるネイト・ムーアが、先日亡くなった俳優のチャドウィック・ボーズマンから受け取った最後のメールの内容を明かした。私生活でも真のヒーローだったチャドウィックの温かい人柄が伝わるメールは涙なしには読めない。(フロントロウ編集部)

チャドウィック・ボーズマンは最期までヒーローだった

 現地時間8月28日、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画『ブラックパンサー』で、主人公のブラックパンサー/ティ・チャラを演じた俳優のチャドウィック・ボーズマンが、約4年間に及ぶがんとの闘いの末に43歳の若さでこの世を去った。

 チャドウィックが病に侵されていることを知っていたのは限られた数人の関係者のみで、『ブラックパンサー』のスタッフや共演者はおろか、マーベル・スタジオの代表を務めるケヴィン・ファイギ氏ですら何も聞かされていなかったという。そういった背景もあり、『ブラックパンサー』で彼と一緒に仕事をした人々はなおのこと大きなショックを受けていることが伝えられるなか、『ブラックパンサー』のプロデューサーであるネイト・ムーア氏が、チャドウィックから受け取った最後のメールの内容を米Peopleのインタビューで明かした。

画像: 写真の一番左に写っているのがネイト・ムーア氏。

写真の一番左に写っているのがネイト・ムーア氏。

 ムーア氏によると、最後にチャドウィックとメールのやりとりをしたのは、ちょうどロサンゼルスがコロナ禍でロックダウン(都市封鎖)の最中にあった時だといい、会話の内容は病を抱える子どもたちを支援するNPO団体「メイク・ア・ウィッシュ」の企画に関するものだったそう。 

 2人は、チャドウィック演じるティ・チャラ/ブラックパンサーの声を録音した音声と、『ブラックパンサー』関連のおもちゃをある少年に届ける計画をしていたが、外出禁止令が出されている状況ではオフィスに行くことも、家から出ることもできないため、ムーア氏はこの計画を半ば断念しかけていたという。しかし、この企画に強い思い入れがあったチャドウィックは、いくつかの案を模索し、計画を実行に移す方法を見出した。そして、ムーア氏がチャドウィックから受け取った最後のメールにはこう書かれていた。

 「彼(病と闘う少年)のためにも、この計画をなんとしてでも実現させる必要がある。人々には豊かな人生を送り、特別な瞬間を経験する権利がある。彼は病気という名の地獄と闘ってきた。もし僕たちが彼の痛みを少しでも和らげ、(メッセージやおもちゃを通じて)彼に少しのあいだだけでも喜びをもたらすことができたなら、それは僕たちが彼の人生に少なからず変化を与えたということになる」

画像: チャドウィック・ボーズマンは最期までヒーローだった

 『ブラックパンサー』でキルモンガーを演じた俳優のマイケル・B・ジョーダンが、チャドウィックのことを「真のヒーローで伝説」と称していたが、その言葉通り、最期を迎える寸前まで自分のことよりも他者を思いやるチャドウィックの温かい人柄がこのメールによって明らかに。

 ちなみに、ムーア氏はチャドウィックがこの企画に熱心だった理由について、「彼自身が病と闘っていたからだと言う人もいるかもしれないけど、私はそれは真実ではないと思う。ただ単純にそれがチャドウィックという男なんだ。人の先頭に立って、つねに他人を優先する」と独自の見解を示すと同時に、チャドウィックの人となりを称賛するコメントを残した。(フロントロウ編集部)

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