復帰するキャラクターと、復帰しないキャラクター
21世紀初頭に公開されて世界的大ヒットを記録した『マトリックス』シリーズは、現在、約20年ぶりに新作を制作中。主役のネオ、トリニティ、ナイオビ、メロビンジアンは本作でも登場し、演者も、前作同様キアヌ・リーブス、キャリー・アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ランベール・ウィルソンが務める。
20年ぶりの新作にも、前と変わらぬキャストが揃ったことに喜ぶファンは多いのだけれど、メインキャラクターのうち、かなり重要なキャラクターであったモーフィアスとエージェント・スミスが帰ってこないことには、やはり残念さを隠せない。しかしなんと、当初はエージェント・スミスは帰ってくる予定だった!
エージェント・スミスの復帰がキャンセルされたワケ
エージェント・スミス役のヒューゴ・ウィーヴィングがComingSoon.netに明かしたところによると「キアヌ、キャリー、僕、そして“昔の家族”から何人かが集まって台本読みをした」、というまさかの情報が! 台本読みまでしたということは、エージェント・スミスの復帰は一時は確定していたということになるけれど、一体なぜ計画はキャンセルに? ヒューゴが、米Colliderにその詳細を明かした。
「(脚本・監督の)ラナは僕に参加してほしいと熱望してたよ。そして僕もね。僕は(シリーズの)みんなが大好きだからさ。すでに3部作に出させてもらっていたから、『マトリックス』に再出演することに関しては遠慮していたんだけど、台本を読んで、僕のエージェントにオファーが来た。すぐにイエスと答えて、交渉に入ったよ。当時舞台に出演中だったんだけど、両方とも出来るように(撮影の)日程などを調整していたんだ。でも結局、ラナは彼女のスケジュールを変更したくないと決断したから、僕は出来なくなってしまった。要するに、そういうことさ」
ヒューゴは舞台役者としても熱心に活動しており、そのキャリアは多岐にわたる。彼は、イギリスのロンドンにあるナショナル・シアターで上演されていた舞台に出演する予定で、そのスケジュールと『マトリックス4』の撮影の日程が被ってしまった。一旦はエージェント・スミスの復帰は本格的に計画されていたことだったけれど、本作で監督と脚本を手掛けるラナ・ウォシャウスキーのスケジュールの意向で、ヒューゴの出演はなくなってしまったという。
ラナとヒューゴは、『マトリックス』シリーズの他にも『Vフォー・ヴェンデッタ』と『クラウド アトラス』で一緒に仕事をしており親しい仲だけれど、スケジュールの問題は調整が難しいもの。しかし、ご存知の通り、その後発生した新型コロナウイルスの影響で、多くの舞台や映像制作のスケジュールに多大な変更が出ており、『マトリックス』の撮影も一時中断されていた。
コロナの影響を受けた現在のスケジュールならば、もしかしたらヒューゴも撮影に参加出来ていたのでは…なんてことも思ってしまうけれど、かなり多くの有名俳優達が集まった『マトリックス4』の撮影では、全員のスケジュールをまとめあげることは、いずれにしても難しい。
ちなみに、『マトリックス4』には復帰しないモーフィアス役のローレンス・フィッシュバーンは、まずもって出演を打診されなかったことを明かしており、多くのファンに衝撃が走った。またキャストだけでなく制作陣にも大きな変更があり、ウォシャウスキー姉妹として、多くの作品を手掛けてきたラナ・ウォシャウスキーとリリー・ウォシャウスキーだけれど、本作ではリリーは帰ってこない。そのことに関して主演のキアヌは、「彼女が恋しいよ。彼女がここにいないのがね。でも、理解もしている」とコメントしている。(フロントロウ編集部)
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