ガガが祖母からかけられた言葉を明かす
2020年は6枚目のアルバム『Chromatica(クロマティカ)』をリリースして、8月末に行なわれたMTV VMAでは9部門で最多ノミネートされ、そのうちの5部門を受賞し、再びポップ界の女王としてその勢いを見せつけたレディー・ガガ。
久しぶりに音楽業界に戻ってきたガガが、母親のシンシア・ジャーマノッタと共に、大物司会者であるオプラ・ウィンフリーが手がけるOprah Magazineに登場。シンシアはガガの幼い頃の様子や、心に傷を抱えた若者たちを援助するために2012年に設立したボーン・ディス・ウェイ基金が誕生するまでの経緯などをトーク。そしてガガは、20問の質問に答えた。
20問もある質問だけれどガガは真摯に答え、その中には「あなたの人生を変えてくれた人は?」との質問が。影響力があり、今では自分が人の人生を変える存在であるガガが、誰に人生を変えてもらったかというと、それはガガのおばあちゃん。
ガガは当時のことを振り返り「レイプされた後、祖母のソファーで何日も泣いていた。そのうち彼女がMTVをつけて私に見るように言ったの。女性アーティストがパフォーマンスしていた。そして祖母は『今日はずっと泣かせてあげるけど、明日は戻ってくると約束して、本当に世界を変えよう。明日はもう涙はいらないよ』と言ってくれた」と、その時投げかけられた「人生を変えた言葉」を紹介し、祖母に人生を変えてもらったと語った。
ガガは19歳だった頃に、20歳以上年上の男性プロデューサーから日常的にレイプされ、その後PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられたことなどを明かしている。その経緯があるからこそ、常に性犯罪の被害者を信じるスタンスを取っており、時にはガガの行動が誰かの人生を変えることも。
2018年には大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの長年のセクハラが告発されたことにより、セクハラ体験を告白・告発する「Me Too」のムーブメントが世界的に広がりを見せるもガガは自分がレイプされた人の名前を明かすことをせず、その理由について「それぞれが相手の弱みを握っているこの業界では、誰も助けようとはしてくれません。私がその人を追及して、その人がいるべき場所である刑務所に入れようとしても、手助けしてくれる人はいませんでした。私はそのことを恥じてはいません。ただMe Too運動のムーブメントのなか、私は追体験をしないためにも、(レイプ犯が)誰なのか明かさないことを個人的に選んだのです。これは私個人の選択です。そして世界がこの選択を尊重してくれることを願います」とオプラがアメリカの9都市で行なったトークショーの中で語った。
人生を変えてくれた人として祖母のことをあげたガガ。音楽を届けるだけではなく、社会問題についてもきちんと発言し、本当に世界を変えようとしている強いガガの後ろには、同じくエンパワーメントに溢れた女性である祖母の存在があった。
(フロントロウ編集部)