手違いで射殺された黒人女性
2020年3月13日真夜中の0時すぎに、就寝していたところを3名の白人警官に発砲され、命を絶たれた救命救急士のブリオナ・テイラー。26歳の黒人女性である彼女の家が、警察が追っていた別の容疑者の家だと誤解され、さらに警官達は家に侵入する前にノックなどをしなかったと見られており、この事件が起こった。
被害者のブリオナ・テイラー。
しかし半年が経っても、ブレット・ハンキソン、マイルズ・コスグローヴ、ジョン・マッティングリーの警官3名は逮捕されることなく過ごしており、著名人を含む多くの人々が3人の逮捕を叫んでいた。
1人の警官が起訴されるも…
そんななか、ブレット・ハンキソンが起訴されたが、その理由に衝撃が走っている。
彼が起訴された理由は、発砲したことにより、ブリオナの家の隣の家にいた人々を危険にさらしたから。
そして他の警官2人に対しては、当時警官がノックなしに侵入したことで、彼らを強盗だと誤解したブリオナの恋人が発砲したため、それに対する正当防衛だとされた。ブリオナの致命傷となった1発の銃弾を撃ったのは、マイルズ・コスグローヴだと発表されている。
つまりブリオナの死の責任は、誰1人として問われていない。
この決定には、遺族も遺憾の意を表明しており、代理人は「言語道断で侮辱的」と批判。また、3月にブリオナの事件が起こったアメリカのケンタッキー州ルイビルでは、大規模なデモが発生した。
ブリオナの名前は、黒人の人権を叫ぶBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)運動の中でも頻繁に取り上げられてきた。ちなみに、2020年5月25日に黒人男性ジョージ・フロイドを窒息死させた警官と現場に居合わせた警官3人は、その後、逮捕・起訴された。また、2020年2月23日に黒人男性アマード・アーベリーを射殺した元警官とその息子、そしてその様子を後ろから撮影していた男も逮捕されている。(フロントロウ編集部)