1973年~1985年に3代目ジェームズ・ボンドとして『007』シリーズで主演を務めたロジャー・ムーアが降板した理由は、共演女性に共通するあることにあった。(フロントロウ編集部)

3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーア

 イギリス人俳優のロジャー・ムーアは、46歳になった1973年に3代目ジェームズ・ボンドとしてデビュー。

画像1: ©EON/UNITED ARTISTS

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 映画『007 死ぬのは奴らだ(1973年)』から、『007 黄金銃を持つ男(1974年)』、『007 私を愛したスパイ(1977年)』、『007 ムーンレイカー(1979年)』、『007 ユア・アイズ・オンリー(1981年)』、『007 オクトパシー(1983年)』、『007 美しき獲物たち(1985年)』まで、7作連続でジェームズ・ボンドを演じた。

 ロジャーが演じたボンドはアクションとコメディがバランスよく取り入れられ、初代ショーン・コネリーによるボンドよりもマナーが良いボンドと称された。

ロジャー・ムーアがボンド降板した理由 

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 そんなロジャーは、58歳になった1985年に公開された『007 美しき獲物たち』を最後にボンド役を降板。当時一部のファンからはロジャーが少し高齢になりすぎていると不安視する声があったため年齢のために引退したと思われがちだけれど、ロジャーいわく、本当の降板理由は自身の年齢…ではなく、共演者の年齢にあったという。

 「身体的なことは理由ではなかった。当時まだ毎日2時間テニスをプレーできたし、毎朝1時間のワークアウトもできたからね。身体的なことは問題なかった。しかし顔の見た目がね…。つまり、主演女優たちが私の孫であってもおかしくないくらい若かったんだ。そうなってくると気持ち悪い」

 2014年にインタビューでそう明かしたロジャーは、2017年に89歳で亡くなる前に行なった生前最後のインタビューでも、「20代前半の女性たちと過ごしていても変態のように見えない(には年齢がいきすぎていた)」と、同じ理由を繰り返していたことを英Mirrorが明かしている。

 映画界では男性俳優に比べて女性の年齢が若すぎることがたびたび問題視されるけれど、なかでも『007』シリーズはこの問題を長く抱えてきた。実際に『007ユア・アイズ・オンリー』でボンドガールを演じたキャロル・ブーケは映画が公開された時点で24歳で、53歳だったロジャーとは29歳差だった。

画像: ロジャー・ムーアとキャロル・ブーケ。

ロジャー・ムーアとキャロル・ブーケ。

 体力的にはまだまだいけるけれど、50代の自分が20代との恋愛を演じるのはモラル的に間違っている。ここまでの男女差が当たり前だった80年代に、この決断は珍しかったと言える。

 ボンドとして降板後は、ユニセフ親善大使としての活動や、動物愛護家としての活動に尽力したロジャーは、89歳だった2017年5月23日に肝がんのためスイスの自宅で家族に見守られながら息を引き取り、ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグと、歴代のジェームズ・ボンドたちに追悼された。(フロントロウ編集部)

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