グラミー賞のノミネーションが発表に
日本時間の11月25日深夜、2021年で63回目を迎える音楽界最高峰のアワードと呼ばれるグラミー賞のノミネーションが発表された。
年間最優秀レコード賞、年間最優秀楽曲賞の主要2部門を含む最多の9部門にノミネートされたビヨンセを筆頭に、年間最優秀レコード賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀楽曲賞の主要3部門を含む計6部門にノミネートしたシンガーのテイラー・スウィフトとデュア・リパや、それぞれ最優秀新人賞と年間最優秀レコード賞にノミネートされ、計4部門にノミネートされたメーガン・ジー・スタリオン、計3部門にノミネートされたドージャ・キャットなど、女性アーティストのノミネーションが目立つなか、ニッキー・ミナージュが今回、8年前となる2012年に開催された第54回グラミー賞で受賞を逃したことについてグラミー賞を批判した。
ニッキー・ミナージュがグラミー賞を批判
ニッキーは今回のグラミー賞にはノミネートされていないものの、歴代のグラミー賞で通算10部門でノミネートを受けている。しかしながら、現在までにまだ受賞歴はなく、2012年に開催された第54回グラミー賞では、主要4部門の1つである最優秀新人賞にノミネートされていたものの、この年はジャスティン・ヴァーノン率いるプロジェクトであるボン・イヴェールが最優秀新人賞を受賞した。
ニッキーは今回、第63回グラミー賞のノミネーションが発表されたことを受けてツイッターを更新。「7曲が同時にBillboardのチャートにランクインして、過去10年で女性ラッパーとして最高の初週成績を残していたのに、グラミーが私に最優秀新人賞をくれなかった時のことは忘れたことがない。アイツらは、ボン・イヴェールという白人男性にそれを授与したの」とツイートして、自身が好成績を残していたにもかかわらず、最終的にはボン・イヴェールに最優秀新人賞が授与された時のことを批判した。
Never forget the Grammys didn’t give me my best new artist award when I had 7 songs simultaneously charting on billboard & bigger first week than any female rapper in the last decade- went on to inspire a generation. They gave it to the white man Bon Iver. #PinkFriday
— Mrs. Petty (@NICKIMINAJ) November 24, 2020
グラミー賞ではこれまでたびたび有色人種のアーティストへの「不遇」が問題視されてきており、必ずしも人種の問題とは言い切れないものの、ビヨンセやケンドリック・ラマーら、批評的に高い評価を集めた黒人アーティストのアルバムを抑え、テイラー・スウィフトやアデルの作品が主要部門の1つである最優秀アルバム賞を受賞するなどして、批判されてきた過去がある。2017年にアデルが最新作『25』でビヨンセの『レモネード』を退けて最優秀アルバム賞を受賞した際には、アデルが涙ぐみながらビヨンセに賛辞を寄せたことも話題になった。
一方で、ボン・イヴェールが2011年にリリースしたセルフタイトルとなるセカンド・アルバム『ボン・イヴェール』は、批評家や音楽ファンの間では2010年代を代表する1枚として現在でも高い評価を集めている傑作であり、ボン・イヴェールがその翌年に開催された第54回グラミー賞で、最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞の2部門を受賞したことを当然の評価と見る声もある。ちなみに、ボン・イヴェールは来年の第63回グラミー賞にて、テイラー・スウィフトとのコラボとなる「Exile」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされている。
ニッキーは昨年にも意味深なツイートでグラミー賞を批判しており、「私はイジメられて、恐怖のために7年間も黙らされていたの」と、前グラミー賞のプロデューサーであるケン・エーリッヒを批判するツイートを投稿。グラミー賞から何らかの働きかけがあり、第54回グラミー賞でグラミー賞を逃したことについて声をあげられなかったことを示唆していた。
来年の第63回グラミー賞では、イングリッド・アンドレス、フィービー・ブリジャーズ、チカ、ノア・サイラス、D・スモーク、ドージャ・キャット、ケイティ・ランダ、メーガン・ジー・スタリオンが最優秀新人賞にノミネートされている。(フロントロウ編集部)