名作ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズ
『ハリー・ポッター』シリーズは、イギリスの児童文学作家J・K・ローリングの作品を原作とする長編ファンタジーで、日本では『ハリポタ』という愛称で親しまれている。
全7巻で構成される小説は、累計部数5億冊を超えるベストセラーとなっている。映画化第1作目となる『ハリー・ポッターと賢者の石』は2001年に公開され、空前の大ヒットを記録した。
映画『ハリー・ポッター』シリーズは2001年から2011年の10年間に8作品が公開され、いずれも大ヒットに恵まれ、数多くのファンによって愛され続けている。現在は、新シリーズとなる映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズが展開されており、そちらも大人気。
本作は、魔法使いの世界を描いた壮大なファンタジーで、魔法や妖精など、魅力的な要素がたっぷり。そんな映画『ハリー・ポッター』シリーズの記念すべき第1作目で監督を務めたクリス・コロンバスは、映画の制作中に「解雇されるかも」という不安に苛まれていたという。
『ハリー・ポッターと賢者の石』監督、いつも不安に苛まれていた
クリス・コロンバスは映画『グーニーズ』や『グレムリン』で脚本を務め、『ホーム・アローン』では監督を務めたアドベンチャー映画の巨匠。近年では映画『ピクセル』や『ナイト ミュージアム』シリーズを手がけるなど、精力的に活動している。
2001年の映画『ハリー・ポッターと賢者の石』、2002年の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の監督を務めたクリスだけれど、実は心中はかなり不安を感じていたよう。
米Colliderのインタビューに登場したクリスは、当時の撮影について「現実問題として、世界中からの圧力が私たちに押し寄せてきた。特に私は、これ(『ハリー・ポッターと賢者の石』)を台無しにすれば、全てが終わると分かっていた。失敗は許されない。外の世界のことは考えずに、毎日撮影現場に行かなければならなかった。インターネットが爆発的に発展する19年前は、今よりは楽だったが」と振り返った。
続けて、「最初の映画は不安でいっぱいだった。最初の2週間は毎日クビになるかと思っていたよ。全てが順調に見えたけれど、一つでも失敗したらクビだと思ってた。それは強烈だった。イライラすることは一切なかったし、叫ぶこともないし、みんなと仲良くしているし、みんなが家族の一員であると感じてほしいと思っていたから、自分の感情を隠さなければならなかった」とも語った。つまり、監督は本当はクビへの恐怖を感じていたにもかかわらず、現場の雰囲気を悪くしないために、その胸中を明かすことができなかったということ。
そんな心配もあったけれど、無事映画は完成。クリスは「僕らにとってシカゴでの試写は幸運を意味するんだ。だから昔は、映画館に行ける時はシカゴにわざわざ飛んで観客に映画を見せていた。映画が完成してシカゴで試写をした時には、観客は映画を気に入ってくれた。観客は夢中になって見ていたよ。その時の映画の長さは2時間50分で、子供たちは『短すぎる』と思い、親たちは『長すぎる』と思っていたようだ」と当時を振り返った。
そしてご存知の通り、『ハリー・ポッター』シリーズはその後、映画史に残る大ヒットシリーズへと成長した。(フロントロウ編集部)
※本記事には記載に一部誤りがございましたので修正いたしました。クリス・コロンバス監督の『ハリー・ポッター』シリーズ監督作品は、『ハリー・ポッターと賢者の石』と『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の2点です。