セレーナ・ゴメスがインスタグラム&フェイスブックに物申す
2020年7月に公式が発表したデータによると、月間アクティブユーザー数が27億人を超え、世界で最も利用者数が多いソーシャル・メディアのトップに君臨するフェイスブック(Facebook)。その傘下にある写真&動画共有型SNSのインスタグラム(Instagram)は、月間アクティブユーザー数が10億人を超える。
そんな2大SNSアプリに対して、シンガー兼俳優のセレーナ・ゴメスが憤りを露わにした。
フェイスブックとインスタグラムの公式アカウントに宛てて、セレーナが「言葉も出ない」と、呆れた様子でツイートしたのは、マーク・ザッカーバーグCEO率いるフェイスブック社が運営する2つのSNSで人種差別を助長するような投稿が横行し続けていることに我慢がならなかったため。
I’m speechless. @Facebook @Instagram how are you tolerating this hate? There’s still accounts there even though you have been notified!! https://t.co/Q3VUzLQ7IF
— Selena Gomez (@selenagomez) December 3, 2020
ネット上のヘイトスピーチや差別的な内容のメッセージ、誤った情報の拡散を取り締まる非営利団体「Center for Countering Digital Hate(センター・フォー・カウンタリング・デジタル・ヘイト/CCDH)」が、“ネオナチ”(※)と呼ばれる極右勢力に属するユーザーたちが、白人至上主義への賛美や黒人への人種差別を悪化させるようなグッズを宣伝する投稿をフェイスブックやインスタグラムで繰り返していることを指摘。
※ナチズムに傾倒し反社会的行動をとる者たちとして定義される。ネオナチの掲げる主な思想には、民族主義、ファシズム、反共産主義、外国人排斥、反イスラエル、同性愛嫌悪などがあり、つまり排他的な思想があげられる
これらについて、フェイスブック社に報告したものの、3日経ってもそのままにされているのはおかしいと告発したツイートを引用したセレーナは、「フェイスブック、インスタグラム、こんなヘイトを野放しにしているなんて、どういうつもり?報告を受けているはずなのに、まだこんな(ヘイトを拡散する)アカウントが削除されていないなんて!!」と、語気を強めた。
デジタル・ヘイト撲滅に尽力
今回のセレーナの指摘を受け、インスタグラムの広報は、CCDHが発見した投稿はすでに削除済みであることをET Canadaに報告。フェイスブック社の広報も、これまでに250以上の白人至上主義団体をフェイスブックとインスタグラムから出禁にし、7月~9月の2カ月間で400万件を超えるヘイトを含む投稿を削除したことを公表したうえで、「こういったコンテンツの発見や削除のため、テクノロジーの改善に努めております。まだ課題は残されていますが、前進はしています」とコメントした。同社は、削除した投稿のうちの97%は、外部から指摘を受ける前に対処されたものだとも明かしている。
黒人への差別に抗議する「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命も価値がる)」をサポートするセレーナは、ここ数カ月、自身が持つ影響力を活用して、SNS上に蔓延るデジタル・ヘイト撲滅に尽力してきた。
11月3日の米大統領選挙前には、グーグル(Google)が配信する広告に、選挙に関して誤った情報が含まれているものがあったことから、同社のCEOであるサンダー・ピチャイ氏にダイレクトメッセージを送り、デマを拡散するそれらの広告を即刻取り下げて欲しいと直談判。
セレーナからの要請に対し、Googlesの広告担当部門であるGoogle Adsは、彼女の言い分に同感であるとしたうえで、ヘイトや選挙に関する誤情報に対する自社のポリシーを詳しく説明し、それに基づいて真摯に取り組んでいくと返答していた。(フロントロウ編集部)