俳優のルーク・エヴァンズが、ゲイであることを隠していたと言われたことについて振り返った。(フロントロウ編集部)

16歳で家を出たルーク・エヴァンズ

 映画『ワイルド・スピード』シリーズのオーウェン・ショウ役や、2017年の実写版『美女と野獣』のガストン役などで知られるルーク・エヴァンズは、ゲイであることをキャリアの初めからオープンにしている。

 ウェールズの田舎で育ち、学校でいじめられ、家族は同性愛に否定的なエホバの証人を信仰していたことから、16歳で家を出てウェールズの首都であるカーディフへ移り住んだ経歴を持つルーク。23歳で舞台のミュージカル『Taboo(原題)』に出演した彼は、当時、英LGBTQ系メディアGay Timesや米LGBTQ系雑誌TheAdvocateにも登場している。

ルーク・エヴァンズ、自分の人生に誇り

 しかし日々の生活のなかで話題がなければ、わざわざ自分のセクシャリティについて話す必要は誰にもない。今はインターネットに情報が保存されるけれど、そんなこともここ数年で一気に加速したこと。ある時にはルークがゲイだと知らなかった人々に、彼はキャリアのためにゲイであることを隠していたと言われることもあったと、英LGBTQ系雑誌Attitudeのインタビューで振り返る。しかし16歳で自分のアイデンティティのために家を出る決断をしたルークにとって、それは受け入れがたいことだったという。

画像: ルーク・エヴァンズ、自分の人生に誇り

 「他のことは世界に捧げてきて、それ(私生活)は自分に残された最後のことだった。僕のキャリアは大衆の目にさらされていたし、写真も撮られてきたし。自分の私生活は、僕にあった最後のものだったというだけなんだ。そして変なことに、みんなが僕はゲイだと気がついた時には、僕がそれを隠していたという記事が多く書かれた。それは違う。インターネットを使ったり、電話したりして、『僕はゲイだから16で家を出たことを知ってますか?』って言いたかったよ。僕は子供の時に社会に出た。そうしなければいけなかったから。僕には誇りがあり、ハッピーだし、すごく良かったと思ってる人生を歩んできた。恥じたことはない。なのに突然そんな風に扱われて、それはすごく怖いことだった。『なんなんだ。これは酷い。これは事実じゃない。なにもかも事実じゃない』ってかんじだった」

 自身のセクシャリティが話題にならず、ただ普通に生活していただけのことなのに、勝手な誤解をされてしまったルーク。さらにいえば、ゲイであることを隠すという選択も、当人の選択の1つ。社会に影響を与える立場となった以上、社会のためにカミングアウトすることの重要性を説く人がいる一方、逆にシスジェンダー(※)の異性愛者はセクシャリティや性自認をカミングアウトしなくてもいいのにそれ以外の人がカミングアウトを求められるのは、それ自体が差別だとする声もある。どちらも、当事者が選択できる社会であるべきとする声も多い。
 ※生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致している人。

 ルークはこれまでのキャリアを振り返り、「僕が多くのバリアを取り払うことができてきたのなら嬉しい。僕は僕のコミュニティを体現したいんだ。すべての人を代表することはできないし、もちろん、すべての人を喜ばせることもできない。自分流でやるしかないのさ」と語った。(フロントロウ編集部)

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