(※)2008年リリースのデビューアルバム『テイラー・スウィフト』は、Metacriticの評価対象外となっているため。
第7位 『レピュテーション』スコア:71%
7位にランクインしたのは、2017年にリリースした7作目のアルバム『レピュテーション』。前作『1989』から3年ぶりのアルバムとなった本作は、テイラーが自身に向けられてきた「レピュテーション=評判」に正面から向き合った作品で、自身の過去への言及をふんだんに散りばめたファーストシングル「Look What You Made Me Do」のミュージックビデオや、同曲で歌われる「昔のテイラーは電話に出られません/なぜって? 彼女は死んだので」というフレーズはファンに衝撃を与えた。
第6位『フィアレス』スコア:73%
テイラーに初となるグラミー賞の最優秀アルバム賞をもたらした2009年6月リリースのセカンドアルバム『フィアレス』が2位にランクイン。2008年6月にセルフタイトル作でデビューしてからわずか1年のスパンでリリースされた本作に収録されている「Love Story」や、「You Belong With Me」といったシングルが次々とヒットを記録し、テイラーは一躍ポップスターの仲間入りを果たした。ちなみに、現在過去の音源の再レコーディングを行なっているテイラーは先日、本作に収録されたシングル「Love Story」の再録版をリリース。一連の楽曲を再レコーディングしているなかで、「Love Story」の収録が一番楽しかったことも告白していた。
第5位『1989』スコア:76%
6位にランクインしたセカンドアルバム『フィアレス』と同じく、2014年にリリースされた5作目『1989』もまた、グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した名作中の名作。これらの2枚が5位と6位にランクインしているという事実からも、テイラーがいかに数々の傑作を送り出してきたかが分かる。「Shake It Off」や「Blank Space」などのシングルに代表される本作は、カントリーシンガーとしてデビューしたテイラーが、それまでで最もポップに振り切ったアルバムとなっている。
第4位『レッド』スコア:77%
「We Are Never Ever Getting Back Together」の大ヒットもあり、親友エド・シーランとのコラボ曲「Everything Has Changed」や、世界中の22歳のアンセムとなった「22」などが収録された2012年発表の4作目『レッド』は、テイラー・スウィフトという名前を日本のお茶の間に定着させたアルバムと言える。過去音源を再レコーディング中のテイラーは先日、本作に収録されている屈指の人気曲「All Too Well」の「10分以上」に及ぶという新バージョンの存在を匂わせているので、近いうちに聴くことができるかもしれない。
第3位『スピーク・ナウ』スコア:77%
3位にランクインしたのは、当時20歳だった2010年にリリースされたサードアルバムの『スピーク・ナウ』。グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した前作『フィアレス』から、こちらもおよそ1年のスパンでテイラーが次に送り出したのがこのアルバムで、「あなたは私が手に入れたなかで最高の存在」という甘酸っぱいフレーズが歌われる「Mine」から幕を開ける本作には、テイラー・ロートナーに宛てたとされた「Back To December」や、ジョン・メイヤーの名前を冠した「Dear John」など、過去の恋人たちに宛てたとされる楽曲などが収録されており、アルバムのタイトルそのままに、テイラーが「今、話したいこと」が詰まっていた。
第2位『ラヴァー』スコア:79%
テイラーがデビューから所属していたビッグマシン・レコードを離れ、リパブリック・レコーズに移籍して最初のアルバムとなった2019年発表の通算7作目『ラヴァー』が2位にランクイン。アルバムのモチーフとなっているパステルカラーや、「恋人」を意味するタイトルに象徴されるように、自分自身への愛を歌ったファーストシングル「ME!」や、LGBTQ+コミュニティへのサポートを表明した「You Need To Calm Down」などが収録されている本作は、様々な形の愛を祝福するアルバムとなっている。
第1位『フォークロア』スコア:88%
デビュー以来、10年以上にわたってポップミュージックを先頭に立って引っ張り続けてきたテイラー。彼女のようなキャリアの持ち主にもなると、高いレベルを維持し続けるのは至難の技だけれど、これだけキャリアを重ねてもなお、直近の2年の間にリリースした2枚を1位と2位に送り込んでしまうのだから、テイラー・スウィフトという時代を代表するポップスターには頭が上がらない。ロックダウン中に制作された通算8作目となる『フォークロア』は、カントリーシンガーだった時代に原点回帰したような、簡素で穏やかな雰囲気が漂う1枚で、世界的なパンデミックによって人々の感情が不安定になってしまった時代に安らぎを与えてくれるような、コロナ禍を感情的に乗り切るのにピッタリな傑作となっている。
これだけ傑作を送り出し続けてきてもなお、テイラーがその動きを止めてしまうことはない。昔の楽曲の再レコーディングで忙しくしているかと思いきや、そうしたなかで2020年に入ってから2枚目の新作まで届けてしまうのだから恐れ多い。テイラーは時間さえあれば、音楽を作り続けることができるのだろう。リリースされたばかりの『エヴァーモア(evermore)』を聴きながら、テイラーがこれまでにリリースしてきた音楽を改めて振り返ってみては。あなたにとっての1番はどのアルバム?(フロントロウ編集部)