実話に基づいた映画『100日間のシンプルライフ』
映画『100日間のシンプルライフ』は、映画『ヴィンセントは海へ行きたい』や『はじめてのおもてなし』のフロリアン・ダーヴィト・フィッツが監督と主演を務めた作品。共演には映画『レッド・バロン』のマティアス・シュヴァイクホファーが参加している。
2020年12月4日に公開となった本作は、フィンランドで2013年に公開され世界中でヒットしたドキュメンタリー、『365日のシンプルライフ』を原案として制作された作品。モノや情報にあふれた現代に贈る、実話に基づいたシンプルライフ・エンターテインメントとなっている。
公開から間もなく話題沸騰の本作。SNSでは感想が飛び交い、「モノとの関わり方を改めさせてくれるヒントを貰えたような作品」、「何が大事かが見えてくる」、「幸せってなんだろう、を緩く優しく伝えてくれる素敵な映画」と、人生を豊かにする“モノ”がたりとして多数の共感の声が上がっている。
その一方で、「タイプの異なるイケメンをひたすら拝むイケメン映画としてだけでもめっちゃ見応えある」、「恋愛や家族愛以上に友情物語、トニーのツンデレが微笑ましい」、「とりあえず君たちの35年間教えてくれる? どうせ喧嘩してルームシェア辞めてその暮らしなんでしょ?」と、正反対の性格で“究極のシンプルライフ”生活を競い合うパウルとトニーの関係性に萌える声も多数。
そんな声を受け、今回、主人公のパウルとトニーのパーソナリティについて、映画では明かされていない裏設定とともに、2人のルーツが明らかになった。
優しいがだらしないパウルVS完璧主義者だが冷徹なトニー
根っからの技術屋で、AIアプリ「NANA」を開発したプログラマーのパウル。家族を大切にし、好きになった女性には一途な想いを抱くなど優しい性格の持ち主だが、私生活では何をやるにも大雑把で、だらしないタイプ。ネットショッピングで注文した段ボールが部屋中に溢れ色々なモノを失くす日々を送っている。そのうえヒゲは伸ばし放題で、髪の毛のセットをしないためにニット帽を愛用するなど外見にも無頓着。
一方で、幼い頃から勉強ができ、スタートアップの若き経営者として手腕を発揮するのがトニー。高級なスーツに身を包み、何事もキチっとしている完璧主義者だが、目的のためにはウソもつき、利用できるものはすべて利用する冷徹な一面も。女性に対しても口説き落とした瞬間に満足してしまう飽き性な部分があり過去にはそのことが原因でパウルと大ゲンカしたこともある。
パウルとトニー、“深い仲の幼なじみ”という裏設定
このようにすべてが正反対の2人が、なぜビジネスパートナーとして協力して事業をするまでの仲なのか、という過去は描かれずに物語が展開していくけれど、実は2人はパウルの自宅で同居し一緒に育ってきたという深い仲の幼なじみという設定がある。
トニーの母親は各地で講演を行う社会主義活動者であるため、トニーはパウルの家に居候していた。パウルの家族とトニーは旧知の仲で、トニーもパウルの家族を本当の家族のように愛している。さらに、パウルの母・レナーテは頭のよいトニーばかりを褒めていたために、幼いパウルは嫉妬し祖母オマに甘えていたという隠された設定も。
トニーと比較されながら育っていったパウル。そして幼少期から実の母親との距離があり、愛に飢えているトニー。お互いがお互いをうらやみ、それぞれにコンプレックスを抱いていった結果、パウルが「みんなを幸せにしたい」という想いで開発したAIアプリ「NANA」を巡って考え方に差が生まれ2人は衝突してしまう…。
衝突はしつつも、同じアパートの上下階に住む彼らは、時には助け合いつつトンデモバトル生活をしていた。しかし、謎の美女・ルーシーの登場をきっかけに決定的な仲たがいをしてしまう。身の回りのモノに加えて長年連れ添った相棒をも失い、ひとりぼっちになってしまうパウルとトニー。果たして、100日間の究極のシンプルライフがもたらした結末とは。
フロリアン・ダーヴィト・フィッツ&マティアス・シュヴァイクホファーのコメント
パウル役を演じたフロリアンはトニーについて、「母親に復讐するため、そして素晴らしい人間であるということを、他人や自分自身に証明するために金儲けに没頭したんだ」と過去のトラウマがモチベーションになっていたことを明かしている。
対してトニー役を演じたマティアスはパウルについて、「優しいが臆病で考えすぎるタイプ。自分の活動の範囲を狭めて、完全に依存しているんだ」とスマホに依存することになったバックボーンを語っている。この2人の性格がシンプルライフ通して変化するかも注目。
急きょシンプルライフを始めることになったパウルとトニーのコンビの姿は、先の見えないニューノーマル時代に突入した私たちに重なる部分があり、自分の身に置き換えられることが共感を呼んでいる。自分自身と徹底的に向き合い、“本当に大切なモノ”について考え抜いた彼らが見つけた答えは、これまで以上のデジタル生活を余儀なくされている私たちにとって“本当の幸せ”や、“豊かな人生”へのヒントになること間違いなし。
今を生きる私たちの人生を豊かにする“モノ”がたり『100 日間のシンプルライフ』は日本全国の劇場で公開中。(フロントロウ 編集部)