『ダークナイト ライジング』でトム・ハーディが演じたベインは、なんとも予想外な人がモデルだった!(フロントロウ編集部)

『ダークナイト』ベインの声は…

 映画『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督といえば、『メメント』や『インセプション』、『TENET テネット』など、数多くの緻密なストーリーラインからなる作品を世に送り出してきた。

 3部作となった『ダークナイト』シリーズでもその才能は健在で、3作品を通して物語をまとめあげた。最終章となる『ダークナイト ライジング』からも多くの新キャラクターが登場し、その正体が後半になってから分かったキャラクターも複数存在する。そのストーリー展開には息を飲んだファンも多い。

 そんな『ダークナイト ライジング』にベイン役で出演したトム・ハーディは、実際の身長がそこまで高くないため、厚底ブーツで身長を高く見せるなど、隠れた役作りに励んだ。大柄で強靭なベインだけれど、トムはその役を演じるにあたって、ある意外な人を参考にしていたという。ノーラン監督が、米ポッドキャスト『Happy Sad Confused(原題)』でこう明かした。

画像: ベイン役のトム・ハーディとクリストファー・ノーラン監督。

ベイン役のトム・ハーディとクリストファー・ノーラン監督。

 「おもしろいことだけれど、あり得ることだと思う。例えば『ブルーベルベット』のカイル・マクラクランと(監督の)デイヴィッド・リンチを見ると、彼(カイル)は襟を立てている。そこには監督のいたずらっぽい傾向が俳優に見て取れる気がするんだ。一方で脚本家、とくに脚本家兼監督にある傾向だけど、彼らは自分たちの要素を(キャラクターの)どこかに少し取り入れて、そこから構築していくことができる。トム・ハーディも、私を基にベインを作っていったんだよ。トムのなかでは、私の声が持つ何かの影響と勢いが非常に複雑に混ざったものがあったらしい。これは私が意識していたものではまったくないんだけれどね。(『TENET テネット』の)ロバートのニールは、一緒に多くのインスピレーションについて話したけれど、僕は含まれてなかったな」

トム・ハーディの演技は正当に評価されていない

 ベインのインスピレーションは、映画を手掛けたノーラン監督! トムと監督は、この撮影の前に『インセプション』で一緒に仕事をしているため、トムは監督のことをよく知っていた。そのため、監督を意識したよう。

 そんなトムの演技を監督は非常に高く評価しているそうで、いまだに批評家やファンからは正当な評価を受けていないと話した。

 「トムとか、その他のみんなに安全策はなかったんだからね。彼があのキャラクターを演じるうえでしたことは、いまだにちゃんと評価されていないよ。あれは並外れたパフォーマンスであり、本当に素晴らしい。声や、目や眉毛だけでの演技。マスクについては、何が見えて何が見えないかといった議論をしたんだけれど、彼が私に言ったことで一つ覚えていることがある。彼は指をこめかみと眉毛にあてて、『ここでは遊ばせてくれるかな。みんなに見えるようにしてほしい』って言ったんだ。映画でも見えるけど、マーロン・ブランドのような眉毛だろう。極悪非道な物事を表現してる。本当に素晴らしいパフォーマンスだよ」

(フロントロウ編集部)

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