エミネムの新曲「Zeus」が話題に
ラッパーのエミネムが12月16日、今年1月にサプライズでリリースした通算11作目となるアルバム『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』に新たに16曲を追加したデラックス版となる『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ – サイド B』(以下『サイド B』)をこれまたサプライズでリリースした。
師匠であるドクター・ドレーや、スカイラー・グレイ、タイ・ダラー・サインら多くのゲストが参加した『サイド B』で、最も注目を集めている楽曲の1つが、ニューヨーク・ブロンクス出身のシンガーであるホワイト・ゴールドが参加した「Zeus」。
エミネムが以前、リアーナとクリス・ブラウンの問題をめぐってクリスを擁護したような歌詞をラップしたことについて、この曲でリアーナに謝罪していることは既にフロントロウでお伝えしたが、エミネムはこの曲の冒頭で別のアーティストたちにも言及している。
エミネムがテカシ・シックスナインをディス
その人物とは、2020年6月にリリースしたニッキー・ミナージュとのコラボ曲「Trollz」で初となる全米シングルチャートの1位を獲得した、ラッパーのテカシ・シックスナイン。
テカシは2018年11月、所持していた銃による発砲や恐喝、さらにギャング関連の麻薬取引や武装強盗に関与していた容疑で逮捕され、最近まで刑務所で服役していた。当初は終身刑もしくは最短でも懲役25年の実刑判決を言い渡される可能性があると言われていたものの、すべての容疑を認め、司法取引をして警察に協力する道を選び減刑となったという経緯があり、自身と関与があったギャングメンバーによる犯罪に関して警察に情報提供をしたテカシは、「チクリ屋」などと批判されることも多い。
テカシはそんな自身の司法取引をネタにすることも多く、今年5月にリリースされた刑務所からのカムバックシングル「Gooba(グーバ)」では、「俺がギャングについてチクったって?どうやったか教えてみろよ」と煽るようなラップを披露している。
エミネムは今回、そんなテカシを「ゴミ」のようなラッパーの例として挙げており、自身を「ゴミ」だと批判する「彼女」の説得力のなさを強調するように、「Zeus」の冒頭で次のようにラップしている。
「彼女は俺をゴミだって言うんだけど、彼女はテカシを聴いてるんだよな(参ったよ)」
マシン・ガン・ケリーへのディスも
また、エミネムはこの曲で、今年9月に最新アルバム『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』をリリースしたマシン・ガン・ケリーにも言及している。
エミネムとマシン・ガン・ケリーは、マシン・ガン・ケリーが過去にエミネムの娘であるヘイリーを「すげーセクシー」と評したことをきっかけにバトルが勃発。エミネムは2018年にリリースした「ノット・アライク」の歌詞で、「お前に話しているんだ/誰だかわかるだろう、ケリー/サブリミナルはもちろん使わない/汚い真似はしない/でもお前はヘイリーについてコメントし続けている」とマシン・ガン・ケリーをディス。
マシン・ガン・ケリーもお返しに、エミネムの大ヒット曲「ラップ・ゴッド」を文字ったタイトルの「ラップ・デビル」という楽曲をリリースして、「『お父さんが狂っちゃった』イエア、そうだよヘイリー/お父さんはスタジオにこもってマイクに叫んでる/酒を抜いてつまんなくなった(わかってる)」と、薬物やアルコール依存症に苦しんだエミネムが長年にわたってお酒を飲んでいないことなどに触れながら反撃した。
今回、エミネムはマシン・ガン・ケリーとのビーフを再燃させており、「Zeus」で次のようにラップしている。
「都合のいい、煮え切らないヤツらだよ/彼女はマシンが俺を洗い流したと思ってるんだ(何だそりゃ?)/神に誓うよ、彼女のお気に入りのラッパーは俺に歯向かおうとしてるんだ」
「Zeus」の音源はこちら。
現時点で、テカシはエミネムからのディスに言及していないものの、マシン・ガン・ケリーは「あのサブリミナルといったら」というコメントをゴミ箱の絵文字と共にツイートして、エミネムがハッキリと言及せずに自身の名前を出したことをからかっている。
those subliminals ��
— Blonde Don (@machinegunkelly) December 18, 2020
(フロントロウ編集部)