色あせぬ名作『ターミネーター2』
映画『ターミネーター』は、1984年にジェームズ・キャメロン監督によって第1作目が生み出されたSF大作。2019年までに全6作品公開されている本作は、未来で繰り広げられる人類とアンドロイドとの死闘を描き出している。“T-800”と呼ばれるターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーは、本作で爆発的な人気を呼んだ。
映画『ターミネーター2』は、1991年に公開された同シリーズ2作目の作品。ジェームズ・キャメロン監督、アーノルド、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンというおなじみの顔ぶれに加え、ジョン・コナー役のエドワード・ファーロング、T-1000役のロバート・パトリックなど、新たなキャストも加わった。
そんな『ターミネーター2』でサラの息子ジョンは、銃を使わない。彼がそういう設定になったのには、ある理由があった。
『ターミネーター2』でジョン・コナーが銃を使わない理由
『ターミネーター2』は、T-800、サラ、T-1000が敵に向かって突っ込んでいく銃撃戦が満載だけれど、ジョンは誰かに銃を向けることはなく、ましてや銃を撃つこともない。
ジョンは人類の救世主となる運命にあり、幼少期にはサバイバル意識の高いの母親のもとで育ったことを考えると、ジョンが銃を手にしてサラやT-800と一緒に銃撃戦に加わるのがみられないのは、少し気になる点。
米Screen Rantによるとこのような設定になったのには、キャメロン監督の倫理観が関係していた。キャメロン監督は、子供が武器を持ったり、使用したりする姿を嫌悪しており、エドワード・ファーロングの手に小道具の銃を持たせることさえも不快に感じていた。
そこでキャメロン監督は、サラとT-800のマガジンのリロードを手伝う以外は、ジョンが積極的に銃撃戦に加わることがないようにする、という決断をした。一方で、ジョンが暴力的になることに消極的に見えることや、誰も殺さないようにとT-800に繰り返し要求していることは、彼が人類を救うのに向いている理由を示しているのかもしれない。
そんな裏設定があり、『ターミネーター2』のジョンは、銃撃戦に加わらないキャラクターになっていたのだった。今度『ターミネーター2』を見るときには、そんなジョンの姿に注目してみて。(フロントロウ編集部)
※「サラの息子を演じたジョン」と記載されていた箇所は、正しくは「サラの息子ジョン」です。