キャリー・マリガン主演『プロミッシング・ヤング・ウーマン』
『プロミッシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』は2020年12月25日に全米公開となった映画。映画『17歳の肖像』や『未来を花束にして』、『ドライヴ』など数々の作品に出演してきたキャリー・マリガンが主人公のスリラー作品となっている。
『プロミッシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』は公開後瞬く間に話題を呼び、米批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコア92%、観客スコア90%という高い評価を得ている。
『プロミッシング・ヤング・ウーマン』のあらすじ
ドラマ『キリング・イヴ Killing Eve』のシーズン2でショーランナーだったエメラルド・フェネルが監督、脚本を務めたこの物語は、ある事件を機に医学部を中退した女性、カサンドラの物語。かつて“有望な若い女性(Promising Young Woman)”だった彼女は、夜な夜なバーへ赴いて、酔った女性をレイプしようとする人々に復讐をしていく。
テクノやパンクの激しいサウンドとネオンカラーの照明が明滅する世界で、キャシーは搾取的な人間のエゴを暴力以外の方法で強引に押しとどめ、女性をエンパワメントする。彼女は、自分の正義を求めることができなかった誰かのための復讐の天使として暴走する…。
『プロミッシング・ヤング・ウーマン』初演で怒鳴り合いの騒ぎ
『プロミッシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』には、キャリーのほか、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、ジェニファー・クーリッジ、ラバーン・コックス、アダム・ブロディなどの豪華キャストが出演している。
本作は、センシティブな題材を扱っているにもかかわらず、全編を通してコメディタッチで描かれており、爽快感のある演出によって多くの観客の称賛を得ている。また、大胆な色使いや可愛らしい小道具など、細かい部分での評価も高い。
しかし、あまりにも大胆すぎる内容であるためか、最初のテスト試写会では賛否両論だったという。本作で映画監督デビューしたフェネルは「みんながこの作品を嫌ったらどうしよう」とドキドキしながら後ろの席で観客の反応を伺っていたけれど、なんとその衝撃的なクライマックスを迎えた途端、2人の観客が怒鳴り合いの喧嘩になり、1人は「嫌ならここにいなくてもいい!」と叫んで、もう1人はその場を立ち去ってしまったそう。
フェネル監督はこの結果に少しガッカリしてしまったようだけれど、主演のキャリーは「居心地良く座っていた人は誰もいませんでした。胃がキリキリしている感じのようでした。これは本当に珍しいことだと思います。今まで見たことのないような反応がありました」と、逆に自信に満ちたコメントをしている。
一方、同作の配給元であるフォーカス・フィーチャーズの責任者であるピーター・クジャウスキーは、「この映画のファーストカットを見て、彼女がここで成し遂げたことを実感して、腕の毛が立った。達成度だけでなく、その大胆さにも(感心した)」と語っており、続けて「観客の皆さんには、好きか嫌いかにかかわらず、必ず見に来ていただきたい」と熱いメッセージを米Varietyに送っている。
『プロミッシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』は現在全米で公開中。日本での公開は未定。(フロントロウ編集部)