アメリカのフェミニズム史に残る闘い
2020年にアメリカのFX on Huluで配信されたドラマ『Mrs. America(ミセス・アメリカ~時代に挑んだ女たち~)』は、1970年代を舞台にした作品。非常に高い評価を受け、2020年エミー賞では10部門にノミネートされた。
物語の焦点は、アメリカの合衆国憲法に男女平等を明記するERA(Equal Rights Amendment/男女平等憲法修正条項)について。ドラマでは賛成派と反対派の闘いを描く。
主役は“保守派”の女性
ドラマの主役は、実在した人物であるフィリス・シュラフリー。じつはこの人、保守派として有名で、ERAに大反対! 晩年は極右サイトにも寄稿していたほどで、70年代当時、彼女は主婦たちを巻き込んで反ERA活動を進めた。
フェミニズムを支持する人が増えた今だからこそ、保守派の考え方も理解しておくことは学びになる。
キャストが超豪華!
そんな本作の主演は、ケイト・ブランシェットが務める。ケイトといえば、来日時に応じたテレビのインタビューで母親業と仕事の両立は大変かと聞かれ、父親であればその質問はされないと返答したほど、芯を持ったフェミニストであることで知られる。
フィリスとはその考え方は異なると思われるが、全9話を通して見事にフィリスを演じきり、エミー賞でもリミテッド・シリーズ部門主演女優賞にノミネートされた。
さらに本作には、実在したフェミニストたちも登場。ERA賛成派のグロリア・スタイネム、シャーリー・チザム、ベティ・フリーダン、そしてベラ・アプツーグが登場し、演じた俳優は順に、ローズ・バーン、ウゾ・アドゥーバ、トレイシー・ウルマン、マーゴ・マーティンデイル!
ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で知られるウゾは、本作の演技によってエミー賞リミテッド・シリーズ部門助演女優賞を受賞した。
そのうえ、フィリスの親友アリス役を、『オーシャンズ8』や『キャロル』でケイトと共演したサラ・ポールソンが、フィリスの助けとなる保守派議員のフィル・クレーン役をジェームズ・マースデンが演じる!
フェミニズムに興味のある人ならもちろんのこと、興味がなくても、この豪華なキャスト陣による作品は必見! ドラマ『ミセス・アメリカ~時代に挑んだ女たち~』は、WOWOWプライムにて2月6日と13日に日本初放送。(フロントロウ編集部)