トム・ペイン、『ブリジャートン家』のオーディションを受けていた
ドラマ『ウォーキング・デッド』のジーザス役で注目を浴び、現在は、日本でもWOWWOWで配信されているクライムスリラー『プロディガル・サン 殺人鬼の系譜』に主演している俳優のトム・ペインは、Netflixのオリジナルシリーズ史上歴代1位となる8200万視聴世帯という記録を打ち出したドラマ『ブリジャートン家』のオーディションを受けたものの、あえなく落選してしまったという。
米作家ジュリア・クィンの歴史ロマンス小説シリーズ『ブリジャートン・シリーズ』を原作とする『ブリジャートン家』の舞台は、摂政時代終末期のイギリス上流社会。ロンドン社交界で熱い視線を集めるブリジャートン家の8人の兄弟姉妹が、“真実の愛”を追い求める姿を描く。
シーズン1では、原作小説第1作目の『恋のたくらみは公爵と』のストーリーになぞらえ、ブリジャートン家の長女ダフネが、麗しくも気難しいヘイスティング公爵ことサイモン・バセットと恋の駆け引きをする物語が描かれた。
奇しくも、『ブリジャートン家』のシーズン1の撮影が行なわれたイングランド西部の都市バースの出身だというトムが受けたのは、俳優のレゲ=ジャン・ペイジが演じ、一躍ブレイクするきっかけとなった男性主人公のサイモンの役のオーディション。
米Peopleとのインタビューで、このことを打ち明けたトムは、「僕が受けたのは、みんなが憧れるあの色男の役のオーディションだよ」と、役名は伏せながらも告白。「でも、僕は身長が足りなかったよね。あの役をやる人は、部屋に入っていって、周りの人を見上げるようにしていたらダメだもん」と、敗因は、きっと自身の身長が低いせいだろうと笑いながら語った。
インターネット・ムービー・データベース(IMDb)の情報によると、トムの身長は168㎝と欧米の俳優にしては確かに少し低め。一方、サイモン役に起用されたレゲは、181㎝と高いほう。
民衆から一目置かれ、ある種の威圧感をも覚えさせる公爵サイモンには、確かに、トムの言う通り、高身長で体格の良いレゲが適役だったかもしれず、もちろん、そのほかにも起用の決め手となったポイントはあるだろうが、トムが演じるサイモン役も見てみたかった気もする。
ダフネ役のフィービー・ディネヴァーの身長は165㎝なので、身長差は5㎝となるが、それはそれで可愛らしいカップルに仕上がったかもしれない。
『ブリジャートン家』オーディションの裏話
ちなみに、サイモン役のレゲのほうが、ダフネ役のフィービーよりも先にキャスティングされており、“ケミストリー・リード”と呼ばれる相手役同士の台本読みで初対面した2人の相性が抜群だったため、フィービーの起用が決定したと米Backstageとのインタビューでフィービーが明かしている。
ブリジャートン家の長男でシーズン2の主人公となるアンソニーを演じるジョナサン・ベイリーも、じつは、トムと同じくサイモン役のオーディションを受けていた。
しかし、ショーランナーのクリス・ヴァン・デューセンと、家族や社会における男性の立場、女性の立場、個人的な経験といった深い話をしているうちに、「アンソニーの役はどう? 脚本を送るから読んでみて。君にはアンソニーの役が合っているかもしれない」と、持ちかけられたそう。「制作陣が僕の中の何かを見出して、『やってみなよ。できるよ』と言ってくれた」ことは嬉しかったと、ジョナサンは米Ophrah Magに語っている。
『ブリジャートン家』には故郷が映っていて嬉しい
惜しくもオーディションには落ちてしまったものの、『ブリジャートン家』が配信されてから、しっかりチェックしたというトム。劇中では、自身の故郷であるバースの見慣れた風景を見ることができて嬉しいともコメントしている。
「『ブリジャートン家』に登場するバースのロケーションの中には、今でも観光できる、素晴らしい場所がいくつもあるんだよ。自分の生まれ育った町がスクリーンに映るのを見るのは良いものだよね」。(フロントロウ編集部)