2021年ゴールデン・グローブ賞のノミネーションは?
2021年は2月28日(日本時間3月1日)に開催される映画の祭典ゴールデン・グローブ賞。そのノミネーションリストが発表された。
新型コロナウイルスの影響で映画館が大きな打撃を受けた2020年の作品を対象にした第78回ゴールデン・グローブ賞では、ストリーミングサービスのNetflix作品が健闘を見せ、他にも、Huluやディズニープラス、Amazonプライム・ビデオなどのストリーミングサービス作品も多くノミネートされる結果となった。
アカデミー賞の前哨戦とも言われ、重要な映画・ドラマアワードの1つとして数えられるゴールデン・グローブ賞だけれど、なんと約90名の会員によって選ばれているって知ってた?
ハリウッド外国人映画記者協会が主催
ゴールデン・グローブ賞の主催者はハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)で、1943年に開始された時には映画だけが対象だったけれど、1961年にテレビドラマ部門も加わった。
HFPAはアメリカの南カリフォルニアを拠点とする記者たちを対象としており、会員の国籍は、アフリカやアジア、ラテンアメリカ、中東、ヨーロッパ、オーストラリアなどだそう。毎年2月と3月に新規会員を受け入れるそうだけれど、その数はかなり少ない。2019年時点でHFPAの会員数は、なんと87名だけ! HFPAのホームページでは、約90名とされている。
例えばアカデミー賞は、その会員数は約1万人と見られており、新規会員も毎年数百人から数千人増えていると見られる。それに比べると、HFPAがどれだけ小規模か分かる。
ノミネートへの投票は、1人の会員につき、部門ごとに5票が与えられ、1位から5位のランキング形式で投票するそう。
2021年にノミネートされなかった注目作品
そんなゴールデン・グローブ賞から、ノミネートを逃した意外な作品や俳優は毎年いるもの。今年の注目は一体何?
『ブリジャートン家』
Netflixオリジナルシリーズの『ブリジャートン家』は、配信開始から28日間で8200万世帯で視聴されたという記録を打ち出し、Netflix史上最も視聴されたオリジナルシリーズに。アメリカ、イギリス、フランスなど、世界83カ国でNetflixのドラマ部門の視聴者数ランキング1位となったけれど、映画賞のノミネートは逃し、ツイッターはそれを嘆くファンの声で溢れた。
『I May Destroy You(原題)』
レイプされた若手作家が人生について考えるというシリアスなテーマでありながら、コメディ要素も含み、多くの視聴者や批評家から高い評価を受けたドラマ『I May Destroy You(原題)』は、制作・脚本・監督を担ったミカエラ・コールの実体験に基づいている。本作がどの部門にもノミネートされたなかったことに驚く声は多い。
『ザ・ファイブ・ブラッズ』
スパイク・リーによるベトナム戦争がテーマの映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』は、デルロイ・リンドーやクラーク・ピーターズ、そしてチャドウィック・ボーズマンが出演。デルロイの演技は高く評価されたけれど、ノミネートには至らなかった。
ちなみに、チャドウィックは遺作となった『マ・レイニーのブラックボトム』の演技のほうで、ドラマ部門の主演男優賞にノミネートされた。
『ミナリ』
ノミネートされたとはいえ、議論になっている作品もある。『ウォーキング・デッド』への出演で知られるスティーヴン・ユァンが主演の『ミナリ』は、アーカンソー州に移り住んだ韓国系アメリカ人一家を描く作品。
ゴールデン・グローブ賞には、セリフの50%以上が英語以外の作品は外国語映画賞にカテゴリーされるというルールがあり、韓国語のセリフが多い『ミナリ』はアメリカ人が主人公の映画であるにもかかわらず、外国語映画賞にノミネートとなった。このことには、アジア系アメリカ人が多く声をあげており、中国系アメリカ人のルル・ワン監督は、「時代遅れなルールを変える必要がある」としている。
また、スティーヴンが主演男優賞にノミネートされなかったことに驚いた人も多い。
メリル・ストリープ
ハリウッドの超大御所であるメリル・ストリープは、2020年は映画『ザ・プロム』や『Let Them All Talk(原題)』に出演したため、何かしらのノミネートがあるかと思いきや、今年はとくになし。ちなみにメリルは、ゴールデン・グローブ賞でこれまでに32回のノミネート、8回の受賞を経験している。
ベン・アフレック
アルコール依存症を抱えていたベン・アフレックは、映画『ザ・ウェイバック』でアルコール依存症のバスケットボールコーチを演じたことで注目を集めたけれど、ノミネートとはならなかった。
(フロントロウ編集部)