※この記事には『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のネタバレが含まれます。
映画『ハリー・ポッター』で描かれなかったあのシーン
J・K・ローリング氏による同名のファンタジー小説シリーズを原作とした映画『ハリー・ポッター』シリーズで、主人公のハリー・ポッターたちが通ったホグワーツ魔法魔術学校。そこで指導にあたっていた個性豊かな先生たちのなかでも、最もハリーたちに影響を与え、読者/視聴者たちにも大きな印象を残した1人が、校長先生を務めていたアルバス・ダンブルドアだと言えよう。
『ハリー・ポッター』シリーズの原作からのファンであればお気づきかもしれないけれど、2009年に公開された6作目となる映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』や、2部作に分けて公開された続編の映画『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、原作では描かれていたダンブルドアの葬式のシーンが描かれていない。ダンブルドアは『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で、セブルス・スネイプによって死の呪文を唱えられて命を落とし、原作では葬式の様子までが描かれていた。
ルーナ・ラブグッド役イヴァナ・リンチが理由を明かす
映画版でダンブルドアの葬式のシーンが描かれなかったことは、多くのファンを少々がっかりさせることになったのだけれど、映画版でルーナ・ラブグッドを演じた俳優のイヴァナ・リンチも、葬式のシーンが描かれなかったことを残念に思った1人だったという。
エヴァナは自身のポッドキャスト『Normal Not Normal』で、映画で双子のジョージ・ウィーズリーとフレッド・ウィーズリーを演じたオリバーとジェームズのフェルプス兄弟と対談。
そのなかで、映画でダンブルドアの葬式が描かれなかったことについて、「多くの人たちが愛し、一緒に長い冒険をしてきたキャラクターを称えたいと思うでしょ」とした上で、「だから、私は多くのことを成し遂げてくれたダンブルドアの葬式が描かれなかったことに困惑していたの。ハリーにとって重要な存在となり、多くを与えてくれたダンブルドアのね」と、映画の中でダンブルドアの葬式が描かれなかったことについて語った。
「私たちは(ダンブルドアが亡くなった時に)全員で杖を掲げたんだけど、涙はCGによるものだった。そのシーンは悲しいものではなかったからね。だけど、お葬式はやらなかった」と振り返ったエヴァナ。彼女は、『ハリー・ポッター』シリーズのファンの1人として、プロデューサーのデヴィッド・ハイマンに自らお願いしにも行ったそうで、続けて次のように告白した。
「1人のファンとしてデヴィッド・ハイマンの事務所にも行ったの。『よし。コミュニティーのために声を上げないと』って思ったからね......『ダンブルドアにはお葬式が必要です。原作では、マーメイドもケンタウルス達も来ました。魔法界のコミュニティ全体が団結して、彼に別れを告げたのです』って私は彼に伝えた......そうしたら、デヴィッド・ハイマンからは『単に、(費用が)高過ぎるんだ』って言われたの」
葬式のシーンを描くには“予算が足りない”という、映画を作る上では仕方のない理由を告げられたエヴァナだったけれど、彼女はそれでも引き下がらずに、プロデューサーにこう伝えたという。「それで私は、『私のギャラも使ってください。そのくらい価値があるものだと思うので』とまで伝えた」。
けれど、プロデューサーから返ってきた返事は“ノー”。「『イヴァナ、それでも足りないんだ!』って言われてしまったの」とエヴァナはプロデューサーからの返事を振り返り、葬式のシーンが描かれなかったのは予算の問題だったという切な過ぎる理由を明かした。(フロントロウ編集部)