映画『X-MEN:アポカリプス』などへの出演で知られる俳優のオリヴィア・マンが、アメリカでアジア系の人々を標的にしたヘイト犯罪が増加していることを受け、支援を求める長文の声明を投稿した。(フロントロウ編集部)

アメリカで増加しているアジア系を標的にしたヘイト犯罪

 新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて、最初に発生が確認されたのが中国だったことが原因となり、アメリカにおいてアジア系の人々を標的にしたヘイト犯罪が増加している。

 2020年には、とりわけカリフォルニア州やニューヨーク州でアジア系を標的にした犯罪が相次ぎ、ニューヨーク市警察は昨年8月、アジア系を標的にしたヘイト犯罪に対処するための機動部隊を初めて設立。アジア系アメリカ人や、ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアからなるパシフィック・アイランダーズ系アメリカ人を標的にしたヘイト犯罪の撲滅を目指している団体であるStop AAPI Hateの報告によれば、2020年3月19日から12月31日までの期間で、報告されているだけでもアメリカの47州とブリティッシュコロンビア州において、アジア系を標的にしたヘイト犯罪が2,808件起きたという。

オリヴィア・マンが支援を求める

 そうしたなか、マーベル映画『X-MEN: アポカリプス』などへの出演で知られる、ベトナムで育った中国系の母親を持つ俳優のオリヴィア・マンが、アジア系を標的にしたヘイト犯罪が増加している状況について言及。インスタグラムに長文の声明を投稿して、支援を求めた。

画像: オリヴィア・マンが支援を求める

 「アジア系に対するヘイトクライムが増加したことを受けて、私はこの数日間、言葉を失っていました。人種差別主義者たちや、言葉や身体的な暴力によって、私たちのコミュニティは外へ出ることが恐ろしくなってしまっているのです」とオリヴィアは声明を始めている。

 「これらのヘイトクライムはCovid以降に増加したもので、私たちが助けを求めているのに、仲間のアメリカ人たちに私たちのために怒りを抱いて欲しいと求めているのに、メインストリームのメディアに対して取り上げてほしいと求めているのに、今も増加し続けています」と、同じアジア系としてアメリカ国民に助けを求めてきたにもかかわらず犯罪は増加していると指摘した上で、オリヴィアは先週にアメリカで起こった一連の事件を次のように羅列した。

 「アジア系アメリカ人に対するヘイトクライムは本当に深刻で、先週には、オークランドで歩いていた91歳のアジア系アメリカ人が背後から襲われ、サンフランシスコでは84歳のタイ系アメリカ人が殺害され、サンホセでは64歳のベトナム系アメリカ人の女性が暴行されて、マンハッタンではフィリピン系アメリカ人が顔を切り付けられました」。

 「この国では、マイノリティとして存在しているだけで、何かに反抗しているように見られてしまいます」とオリヴィアは続けて綴り、「私たちは、それを終わらせるための支援を必要としています。私たちはこの国で安全を感じるための支援を必要としています。私たちはこの国で無事でいられるための支援を必要としています」と支援を求めた上で、「愛を込めて、オリヴィア・マン/誇り高きアジア系アメリカ人」と声明を締め括った。

 Stop AAPI Hateの報告書には、アジア系アメリカ人たちが受けた具体的な嫌がらせや暴行の詳細も記されており、ツバをかけられたり、侮辱するようなジェスチャーをされたり、背後から突然殴られたりといった事例が報告されている。(フロントロウ編集部)

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