先日フロントロウでお伝えした80年代のロンドンのゲイコミュニティを描くドラマ『It’s a Sin』がイギリスで大ヒットを記録中。さらに、放送が始まるやいなや、イギリス国内でHIV検査数が急増し、前年度4倍にものぼった。(フロントロウ編集部)

大絶賛を浴び配信記録を破ったクィアドラマ『It's a Sin』

 『It’s a Sin(読み:イッツ・ア・シン/意味:それは罪)』は、イギリスのChannel 4で2021年1月22日より配信が始まったドラマ。

 制作を手掛けたのは、元『ドクター・フー』のショーランナーで、クィアドラマ『Queer As Folk』も手がけたラッセル・T・デイヴィス。本作は、1980年代のイギリスを舞台に、HIVに翻弄される3人のゲイ男性の姿を描いている。

 『It's a Sin』は、HIVやエイズといった深刻な問題を扱っているという理由で放送局がなかなか見つからず、BBC OneとITVにはシリーズの開発を拒否された。その後Channel 4が開発を引き受け、予定されていた8エピソードから5エピソードに短縮して放送されることに。

 そんな困難の末に放送が始まると、たちまち英国中で人気を呼び、Channel 4のストリーミングサイトAll 4の配信記録を更新。さらに、同サービスの視聴率も、前年比より91%増加するという大きな成功をもたらした。これは、クィアを描いたドラマとしてだけではなく、全てのジャンルのドラマの視聴率を破ったということ。
本作はエイズがもたらした社会の変化や感傷的な側面を巧みに描き出し、多くの視聴者より絶賛されている。

『It's a Sin』の影響でHIV検査数が飛躍的にUP!前年比4倍に

 『It's a Sin』がもたらしたのは、視聴率だけではない。なんと本作の配信後、英国のHIV検査数が飛躍的にアップしたという。

画像1: ©︎Channel 4

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 2021年2月5日、イギリスで行なわれていた全国HIV検査週間の結果を米BBCのインタビューで発表したルパート・ウィタカー博士は、前年度よりも約4倍もの人々が検査に訪れ、その人数は2月1日だけでも、8万2千人にのぼったことを明かした。

 主演でLGBTQ+アクティビストのオリー・アレクサンダーはこのニュースに対し「泣かないようにしてる」と答え、続けて「ショーを見ている観客からのリアルタイムの反応を見れるのは、ただただ驚くべきことだと思う。正直、本当に感動したよ」と語った。

 そして、共演者のオマリ・ダグラスは、「テレビの一部分がこれほど文化的な影響を与えただけでなく、公衆衛生にも影響を与えたという事実は、まさにクレイジーなこと。テレビがそのような影響を与えることは非常に珍しい」と付け加えた。

深刻な問題を包み隠さずに描く

 『It's a Sin』は、自らゲイであることを公表しているショーランナーのラッセル・T・デイヴィスの実体験をベースにしている。

画像2: ©︎Channel 4

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 そんな本作のエピソード3で描かれたのは、熱烈に愛し合うカップルの姿。二人はコンドームを使わずにセックスをし、後日カップルの片割れがHIVに感染していることを知る。

 そのシーンを演じたキャストのナサニエル・ホールは、わずか16歳の時にHIVであることを診断されたことを英Radio 1で明かした。高校ではトップの成績で、通知表もオールAだった彼は年上の男性に出会いセックスを知り、大学入学を機にHIV検査を受けた際に感染を知ったという。彼は、「顔を引っ叩かれたような、モーニングコールのような感じだった。突然、大人の世界に放り出された子供のようになった」と、当時の衝撃を語っている。

 現在ではHIV/エイズ患者は年々減少し続けており、医療の進歩によって、適切な治療をすればHIVに感染していない人と同等の生活を送ることが期待できるとされているが、ホールはこのインタビューを通じてHIV検査を促した。

 イギリスの社会を巻き込んだブームとなっているドラマ『It's a Sin』は20201年1月22日よりイギリスのChannel 4で放送、HBO Maxで配信予定。(フロントロウ編集部)

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