テイラー・スウィフトが再録版「ラヴ・ストーリー」に込めた想いとは? ファンたちが胸を熱くしているイースターエッグに注目。(フロントロウ編集部)

テイラー・スウィフト、「ラヴ・ストーリー」の再録バージョンに込められた思い

 シンガーのテイラー・スウィフトは、バレンタインに先立ち、2008年のヒット曲「ラヴ・ストーリー(Love Story)」を新たにレコーディングし直した「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」をリリースした。

 同作はテイラーが4月にリリースを予定している2ndアルバム『フィアレス(Fearless)』の再録版『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』からの先行シングル。

 約13年間の間に、ぐっと大人っぽく、力強さを増したテイラーのボーカルや、よりオーガニックで耳触りの良い音色をフィーチャーした「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」は、さっそく米iTunesなどで1位を獲得している。

 古くからのテイラーファンたちが、懐かしさや、テイラーと自分自身の成長ぶりにしみじみしながら耳を傾けているこの再録バージョンは、歌詞を変えたり、歌い方を大きく変えたりといったことはないものの、テイラーのファンやスタッフへの愛情を感じるいくつかのイースターエッグ(隠しメッセージ)が込められているよう。


「ロミオ=ファン」

 そのうちの1つが、リリースと同時に公開されたリリックビデオの映像。

「フィアレス」をリリースした頃の“フィアレス期”に出会ったファンたちとのツーショット写真や交流の様子を収めた動画などをふんだんに盛り込んだ映像を使い、最後には、かつてテイラーのお決まりのポーズとなっていた懐かしのハートのハンドサインに「すべてのファンたちに愛を込めて」というメッセージを添えたテイラー。

「ラヴ・ストーリー」は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲『ロミオとジュリエット』のエッセンスを盛り込んだ楽曲で、歌詞はもちろん、オリジナル版のミュージックビデオにも『ロミオとジュリエット』の世界観をオマージュした演出や衣装が登場した。

 「王子様である“ロミオ”に連れ出してもらうことを夢見て待っているお姫様の“私”」という恋に恋する少女の心情を歌った曲だったが、ファンたちへの愛を表現した「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」のリリックビデオを見た人たちは、口をそろえてテイラーの女性としての心の成長に言及。

 かつて、テイラーにとって「ロミオ=理想の男性/王子様」だったけれど、今では、「ロミオ=自分を愛し、支えてくる人たち=ファン」なのではないかと解釈している。


新生『フィアレス』のカバーアートにもヒントが?

 テイラーが公開した『フィアレス』のカバーアートにも、「ラヴ・ストーリー」にちなんだイースターエッグが隠されているのではないかとウワサされている。

画像: 左:2008年発売の『フィアレス』のカバー

左:2008年発売の『フィアレス』のカバー

 テイラーは、オリジナル版のカバーアートを彷彿とさせる、カーリーヘアを揺らす躍動感のあるショットをチョイスしたのだが、この写真で彼女が来ている白いブラウスは、「ラヴ・ストーリー」のミュージックビデオで相手役を演じたジャスティン・ガストンが着ていた衣装にそっくりだと話題に。

画像: ©Taylor Swift/YouTube

©Taylor Swift/YouTube

 「テイラーはロミオのシャツを着てる! 光り輝く鎧を身に纏った騎士に助けてもらう必要なんてないって意味だね! 彼女こそが騎士なんだ」、「もう自分を救いに来てくれるロミオなんて必要ないっていう意味だよね」と、この衣装のチョイスは、テイラーが“自分で自分を守れる強い女性”へと進化を遂げたことの象徴なのではないかと推測されている。

 ちなみに、『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』のカバーアートでテイラーが着用しているのは、ニューヨーク発のブランド、ウラ・ジョンソン(Ulla Johnson)のもの。生地には日本製のサテンが使用されている。


演奏を担当したのはオリジナルバンドメンバー

 “因縁の相手”と言われる音楽マネージャーのスクーター・ブラウンとの原盤権買収・売却騒動をめぐり、デビューから2018年のレーベル移籍までにリリースした6作のアルバムの再レコーディングを決行しているテイラー。

 再録版のすべてに「テイラー・バージョン」とつけ、さらに「ラヴ・ストーリー」再録版のクレジットにも「歌唱:テイラー・スウィフト/作詞作曲:テイラースウィフト/制作:テイラー・スウィフト/ソース:テイラー・スウィフト」と記載して、“自分の作品は自分のもの”だと所有権をしっかりとアピールしている。

画像: Spotifyの「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」のクレジット。©Spotify

Spotifyの「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」のクレジット。©Spotify

 しかし、「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」の制作クレジットには、もう1つ見逃してはいけない点があることをファンたちが発見。

 それは、再録版の演奏を手がけたバンドメンバーには、オリジナル版で演奏を担当したメンバーも含まれているということ。

 ギタリストのマックス・バーンスタインは、インスタグラムを通じて、ポール・シドーティやエイモス・ヘラーといった、テイラーが「ジ・エイジェンシー(The Agency)」と呼ぶ昔なじみのバックバンドのメンバーたちが再録版のレコーディングに参加したことを報告している。

 旧バージョンのレコーディングにも参加したメンバーを招集することで、テイラーはオリジナル版へのリスペクトを表したのかも。


なぜセカンドアルバムが再録版リリースの第1弾なの?

 4月9日にリリースされる再録版の『フィアレス』。ちなみにテイラーのデビューアルバムは、『フィアレス』の2年前にリリースした『テイラー・スウィフト』だけれど、2作目のアルバムである『フィアレス』を再録版の1番手としてリリースすることを決めたのは一体なぜなのだろう?

画像: なぜセカンドアルバムが再録版リリースの第1弾なの?

 それについて、テイラーは、現所属レーベルであるリパブリックレコーズとのインタビューこう説明している。

 「どのアルバムを最初に再レコーディングしようか決めるのは簡単だった。『フィアレス』にはいつもどこか惹かれるものがあって、それって多分、このアルバムが本当に成長の物語を表しているからだと思う。振り返ってみると、誇らしい気持ちでいっぱいになる。希望や学びや10代の頃の快活さにあふれた作品だから。遡ってみるのに、これより楽しい作品なんてないよね? 」

 「ラヴ・ストーリー(テイラーズ・バージョン)」の仕上がりからみても、『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』には大いに期待して良さそう。春が来るのが待ちきれない理由が、また1つ増えた。(フロントロウ編集部)

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