コストコが達成したあること
食材から家電、衣服までなんでも手に入るウェアハウス・クラブのコストコは、会員制でありながら、世界中にビジネスを拡げており、アメリカでは約550店、日本では27店が展開されている。
その人気から、売り上げも当然のことながら世界的企業として巨額なものになっているけれど、コストコの利益を生み出す仕組みには、あるまったく別の秘密も隠されていた?
コストコのCFOであるリチャード・ガランティ氏によると、コストコは万引きや、従業員による盗みからの被害が著しく低い! その被害は、年間セールスのうち、0.12%だという。
米Barron’sによると、その他のスーパーにおいては、その数字は0.5%から1%にまでのぼるという。また、アメリカの大手スーパーであるターゲットやウォルマートは数字を公表していない。
ガランティ氏は、コストコがその低い数字にたどり着いた理由として、会員制のモデルや、従業員との円滑な関係性、盗むには大きすぎる商品、出入り口はたった1つという店舗構造や、従業員が出口で顧客のレシートをチェックすることによる抑制効果をあげた。
事実、その品ぞろえが特色のコストコは、多くの店舗でタバコを置いていない。その理由として、マージンが低いことに加え、盗みに遭う可能性が高いことをあげている。
従業員による窃盗がない理由は?
また、じつはコストコの労働環境が他のスーパーマーケットよりも良いことは知る人ぞ知る事実で、それによって従業員による盗みが発生しづらいという指摘も。
米Barron’sによると、コストコの最低時給は3月より16ドル(約1,760円)になる予定で、平均では23.50ドル(約2,585円)だという。対して、ウォルマートの最低時給は11(約1,210円)ドル、平均では14ドル(約1,540円)。ターゲットの最低時給は15ドル(約1,650円)。
その影響もあり、1年の離職率が20%以上と言われる業界のなかで、コストコではその離職率が平均して13%、1年以上働いている従業員では6~7%になるという。
コストコは、例えば人気商品のロティサリーチキンの価格を4.99ドルという安さでキープするために、年間3,000万から4,000万ドル(約33億円から44億円)もの利益を捨てたことも。様々な面からベストを引き出していることが、コストコの強みのよう。(フロントロウ編集部)