公開から30年『羊たちの沈黙』
『羊たちの沈黙』は、作家トマス・ハリスの小説に登場するキャラクター、ハンニバル・レクターを主人公にした1991年のスリラー映画。2021年で公開から30年を迎えるが、現在でもスリラー映画界の金字塔として多くのファンに愛されている。
現在米CBSでは本作に登場したFBIの訓練生、クラリスを主人公にしたドラマ『クラリス』が放送されており、話題を読んでいる。
そんな映画『羊たちの沈黙』に登場した猟奇殺人犯、バッファロー・ビルが住んでいたあの家がまもなく宿泊できるようになる。
バッファロー・ビルが住んでいた家がまもなく宿泊可能に
バッファロー・ビルは殺害した若い女性の生皮を剥ぐという恐ろしい猟奇事件で追われていた殺人鬼。FBI訓練生のクラリスは、ハンニバル・レクターに協力を仰ぎ、このバッファロー・ビルに迫り、事件を解決した。
映画に出てきたバッファロー・ビルの家は、寒空のしたにポツンと建った薄気味の悪い一軒家。家の中も暗く、色あせた家具と荷物が乱雑に配置され、とてもほこりっぽい印象だった。
ところが、現在のバッファロー・ビルの家は全く印象が違っている。美しい芝が敷かれた庭と太陽の光を浴びてそびえ立つ3階建ての一軒家は、まさに理想の家そのもの。ビクトリア朝の内装はとってもゴージャスで、地下室もリフォーム済み。
とはいえ、間取りや壁紙が映画と一緒のため、なんとなく“事故物件”感を感じてしまう。もちろん、『羊たちの沈黙』はフィクションのストーリのため、この家で猟奇殺人事件は起こっていない。
この家はペンシルバニア州ペリーオポリスにあり、2020年に売却され、現在の新しいオーナーになったばかり。ここは、宿泊、ロケ撮影、特別なイベントとガイド付きツアー、結婚式などのために貸し出される予定で、新しいオーナーのクリス・ローワンによると「他に類を見ない映画をテーマにした目的地」になる予定。ちなみに内装はこの動画からも見ることができる。
実はオーナーのクリスは、ホラー映画の熱狂的大ファン。家が売り出されることを知った後不動産屋に電話をし、仲間の協力を得て購入にこぎつけたという。彼は大学では映画を学び、2004年からはニューヨーク市ホラー映画祭にも協力を始め、いまでは主催者にまでなった。『羊たちの沈黙』にオマージュを捧げた公式ホームページには、「(バッファロー・ビルの家は)6歳の時からホラー映画に夢中になっている男によって所有され運営されている」と書かれている。(フロントロウ編集部)